第9話
―――…でも、そんな愚図な俺が初めて恋に落ちた。
不良の喧嘩を止めに行く仕事なんてクソ面倒くさいと思っていた自分を殴りたい。こんな素晴らしい仕事をしていたお陰で俺の天使に出逢えたのだ。これは運命だ。
見たこともないほど綺麗な金色の髪に、純粋な瞳の青。そして何と言っても俺を見つめているその瞳の奥に込められている彼女の視線に心臓が射抜かれた。それはもう、ズキュンと。
可愛いなんてそんなお粗末な言葉で済ませていいものじゃない。彼女の全てが神々しい。何って甘美なんだと思う。この感情をどう表現していいのかさえ分からない。
―――…可愛い可愛い可愛い可愛い可愛いっ、ああ言い足りない!!!!
「はぁ、五十鈴ちゃん、まじかわゆす」
「……荒田、お前キモいぞ」
「陣内さんにキモいとか言われる筋合いないんで」
「あ、そう」
陣内さんに呆れられているであろうが、別にそんなことはどうでもいい。むしろ、他人にどう思われようがどうでもいい。俺は五十鈴ちゃんに嫌われなければそれでいいから。
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