本性

「失礼な奴だな」と、少し不服そうな表情をした高森。



「急にどうしたんです?」


「あー…。いや、沙彩が男と別れたなら猫を被る必要もないかと思って」



 こいつ…


 猫を被ってたのか?!



「今まで、お見合いの時からずっと猫被ってたの?」


「被ってた」


「婚約パーティの時もずっと? 今が本性?」


「そう。パーティーとかは仕方ないだろ? 第一、30過ぎてタメ口が新鮮なんて言う奴いないし」



「普通にヤバいだろ」と鼻で笑う姿は、キャラが変わっていた。

 あんなに誠実そうな好青年だったのに、まるっきりイメージが違うこっちが本性?

 私的には今の方が普通に驚くわ!

 引く!



「…」


「そんなに変な目で見るな」


「…、変な奴を目の前にしてますからね」



 私が顔をひきつらせながらジッと見れば、高森はハハッと笑う。



「やっぱり面白いな、あんた」



 ポンとまた頭で手を1度だけバウンドさせると、「おやすみ」と部屋へ帰っていく。



「本当、変な奴…」



 まるきり違う人格に、いくつ顔を持っているんだと白状するまで問い詰めてやりたいけど。

 そのすべを身に付けるには、昨日見た環境では仕方がないかと、理解も出来る。

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