戒め
両手で受け取れば、その手に収まるほどのブーケ。
花束を貰えば素直に嬉しいって思うんだな、私って。
私の手元にそれが落ち着くのを確認すると、高森はゆっくりと車を発進させる。
明らかに口数が少なくなった私に理由をしつこく聞くわけでもなく、ただ黙ってハンドルを握っていた。
その沈黙も、花の贈り物というパフォーマンスも有難かった。
さっきの隆至の姿を見て、次顔を合わせた時にかける言葉を冷静に考えられたからだ。
“ あの
“ どんな関係? ”
“ 仕事って言ってたのになんで? ”
想像した醜い嫉妬心むき出しの言葉は、気持ちを落ち着けさせるには十分な時間だった。
こんな言葉、あの時車を降りていたとしても隆至には言えない。…言いたくない。
私の事情を考慮して一緒にいてくれる隆至と同じように、隆至の事も理解してあげなくちゃいけないんだ。
だって、籍を入れられないのに一緒にいてくれるんだよ?
隆至と別れたくない私のわがままに付き合ってくれているんだよ?
そんな隆至が浮気なんてするはずがない。
そんな事、考えちゃいけない。
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