花言葉

 マンションの駐車場に車が停められると、私の方が先に部屋へ戻った。高森の彼女に会ってしまったら申し訳なかったから。

 手には花束を持ってるんだし、それくらいの配慮はしないと。


 ガチャン


 誰もいない部屋は、広過ぎて心細くなる。

 不安を払拭ふっしょくするように、深呼吸してから高森からもらった花束を花瓶に生けた。

 ガーベラが可愛くて、携帯のカメラで撮影をしようとする。

 すると、カメラの検索機能が働いて画面に別な枠が出てきた。

 何気にタップすると、花言葉が表示され――



「希望…、前進…」



 ガーベラの花言葉はそんな意味があるみたいだ。

 一緒に束にされていたトルコギキョウも検索すると、そちらも “ 希望 ” と出てきた。

 どちらも希望が出て来るなんて。



「まさか…」



 高森が様子がおかしい私を元気付けるために、そんな意味を持つ花束をくれた…?



「まさか、ね。偶然だよ、きっと」



 あの人が花言葉を知っているとは思えないし。



「さて…。夕飯の準備しておこう」



 隆至の分の食器を出して、調理にかかった。

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