面白い人
素直に白状してしまった。
お互いを干渉しないようにって事だったけど、肩の荷を下ろしたくてつい愚痴をこぼしてしまった。
「でも、水川さんは凄いですね」
「え?」
凄い?
私が?
「あの時、僕の事を庇って話題を逸らしてくれましたよね?」
「あの時…? あぁ、あの話の事ですか?」
「はい」
高森のお兄さん、哲弥さんの事であっていると思う。
先程までの緊張が解き放たれたせいか、高森は穏やかに笑って話しかけている。
「ご自身が寂しい思いをしているのに、僕の事を心配してくれました。凄いです」
「そんな。大袈裟ですよ」
褒められることに慣れていないせいで、照れて思わず俯いてしまう。
「本来なら、その事情をお話ししなくてはいけないんですが…」
打って変わって、ハンドルを握りながら申し訳なさそうに話し始める高森。
対向車のライトが、眉尻を下げる高森の顔を照らし出す。
「言わなくていいっていうか、聞きません。きっと面倒事でしょ?」
笑いながら答えれば、高森も釣られて笑いだす。
「本当に面白い人だ」――と。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます