一刀両断

 お手伝いさん達がデザートをテーブルに運ぶ中、「結婚式はどうするんだい?」と、母方のお爺様が高森に聞き始めた。


 やっぱり来たか、その話題。



「その事なんですが――」



 高森とあらかじめ決めておいたこと。


 挙式はしない。


 必ず結婚式の話が出るから、反対も承知の上で挙げるなら2人だけで思い出作りをしたい、と嘘を吐いて説得をする。


 写真だけで撮ればなんとか誤魔化せるだろう――と。



 これを言い出したのは高森だ。きっと、彼女を気遣っての事だと思う。その提案に私も賛成した。

 流石に跡取りと結婚となると招待客が想像もつかない。その人数に嘘を吐いてお金まで払うなんて勿体なさ過ぎる。

 写真付きで「結婚しました」と送れば、案外すんなりと受け入れられるだろう。


 これが2人で考えた対策だ。



「駄目だ」



 けど、高森からの話に間髪を入れず声を上げたのはお義父様だった。



「父さん、けれど――」


「匡高。沙彩さんは一人娘なんだぞ? 水川のご両親に花嫁姿を見せなくてどうする」


「それはそうですが――」


「結婚式はやる。費用はうちで持つから、沙彩さんの好みのところを早急に予約してきなさい。わかったな?」


「…はい」

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