心情

「今はどこで暮らしているんだ?」



 その疑問に乗るように、今度は父方の祖父が話を続けた。

 高森は明らかにいつもの冷静な態度ではなかった。

 お義父様よりももっと厳格そうなお爺様 2人の視線は、私が緊張しているからか酷く冷たいようにも思えてくる。



「哲弥は元気ですよ。全く、突然写真家になると言い出した時は何を考えてるのかと思いましたが、今では賞を取ったり個展やらであちこち忙しそうにしているようですよ? 今日の集まりも来られそうにないと連絡貰いました。皆様によろしくと」


「ほぉ。哲弥が賞を? それは凄いな。自慢の孫だな」



 気を張っているようなお義母様の言葉に、ハハハハと笑うお爺様 2人と、付き合って笑うお婆様達。

 その笑顔に高森のご両親も笑っているけど、どこかぎこちない。

 この 2人の感情ひとつで、周りが一喜一憂するのか…。

 高森なんて無理矢理笑ってる。


 やっぱり、なにかあったんだな。その哲弥さんと。

 一馬さんの言葉が本当ならば、彼女を取られたってことなんだろうけど。

 兄弟で女性を取り合うって、キツいよね。

 そんな話題が厳格なお爺様から出たんじゃ、顔が強張りもするか…。

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