同期の助け

「仕事終わったらさ、匡高呼んで4人で飲まない?」


「え?」


「いいじゃん、昨日はあまり話も出来なかったし」



 大輔さんの頭の上に、音符が見えます。

 あ、郁人さんの頭にも。


 でも――



「いえ、あの…。仕事終わりに約束があって…」



 今日は早く帰って、隆至の好物を作ってあげて美味しいご飯を2人で食べようかと思ってた。

 昨日のお詫びと、週末出来ない分 2人でゆっくりする時間が欲しかったから。



「え~、約束? その約束って大事なの?」


「えっと、もう何日も前に決まっていたので、キャンセルすると申し訳なくて…」


「もしかしてその約束の相手って、匡高じゃない?!」


「え?」



「違います!」って言いそうになったけど、そこは一瞬戸惑って口籠る。

 すると、私の背後から「私ですよ」と、女性の声が聞こえる。



美鈴みすず!」



 彼女は私の同期。市川いちかわ美鈴みすず

 数少ない、私の家の事情を知る人だ。

 隆至との出会いの事から、高森との経緯いきさつまで全てを話している人でもある。



「ごめんなさい、今日はどうしても彼女に付き合ってもらいたくて…」



「私、失恋しちゃったんで…」と演技を交えて言い訳に付き合ってくれる。

 勿論失恋なんてしていない。逆に絶賛募集中、いつでもウエルカムだ。でも事情を察してくれるところ、さすがです。

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