第53話:タルタルソースって?。
「ロゼのおやじっては暗黒の神の親玉なんだろ?」
「娘のためなら父親は出張ってくるんじゃないか?」
「ロゼに頼んでおやじに出てきてもらったら、絶大な戦力になるぜ」
「それなら、おばさんだって、おいそれとは逆らえないだろ?」
「パンさんがロゼさんの大切な親友ってことにすれば大きな力になってくれる
かもしれましぇんが・・・」
「が・・・なんだよ」
「考えが甘いれふ」
「そんなことしたら取り返しのつかないことになりまふよ」
「ロゼさんの父上、エレボス様なんか出張ってきたら大変な騒動になって世界を
巻き飲んだ一大バトルが勃発するのは目に見えてまふよ」
「火に油を注ぐようなもんれふ」
「そういう悪巧みには頭が働くんれふね健斗さん・・・」
「利用できるものは利用したほうがよかないか?」
「やっぱり、ロゼのおやじが出てきたら、まずいか・・・」
「そうそうエレボス様の住処はパンさんが落とされたかもしれないタルタロス
れふからね」
「なんだ?そのタルタルソースってのは?」
「タルタロスでふ・・・まあ地獄みたいなところれふかね」
「そこは人間は入れないところなんれふ」
「しかも一度落とされると二度と上がってくることはできましぇんからね」
「でもロゼのおやじがそこに住んでて、パンがいるならそれこそ
そのおやじに頼んでパンを救出してもらったら手っ取りばやいんじゃないか?」
「そんなことしたらまじでゼヌス様が出てくるかもしれましぇんよ」
「パンさんをタルタロスに落としたのがエマ様なら、パンさんを救い出すのに
エマ様の許可をとらないと・・・もし黙ってそんなことしたらもめ事のもとれふ」
「まずはエレボス様とエマ様が対峙しまふれひょ・・・話し合いがうまくいくはず
ないれふ」
「そうなるとどうしてもゼヌス様が出張ってきますよね」
「浮気ばっかりしてても、いざとなれば本妻大事れふからね」
「それは非常にまずいれふ」
「あの方達は、ゼヌス様やエレボス様はエロいだけじゃなくて揉め事や戦いが
飯より好きな方たちれふからね」
「その昔、ゼヌス様はタイタンと言う神族との戦いのとき、エレボス様がタイタンたちに味方したため、ゼヌス様によってタルタロスへ落とされてしまったんれふよ」
「それ以来エレボス様は暗闇の神、または冥界の神って言われてるんれふ」
「エレボス様くらいになると地獄の業火くらいでは死にましぇんからね」
「むしろぴったりの場所だと思って、くつろいでると思いまふよ・・・」
「なんだかスケールがデカい話だな・・・俺、ついていけないわ」
「やっぱり吉岡とロゼには内緒にしとこう」
「そうれふね・・・おふたりには知らせないほうがよさそうれふね」
「戦いがはじまりでもしたら余計パンさんに危害が及ぶかもしれましぇんからね」
この時に健斗はロゼを誘いに行っていたら異世界へ旅立つなんて苦労せずに済んだ
んですけどね。
まあでもそれじゃ面白くありませんからね。
「ということで、ここは密かに動きひょうかね」
「なんかさ、いつ出発するんだよ俺たち・・・さっきから、くだらん話しすぎ
じゃないか?」
「段取り八部って言ってれふね、ちゃんと計画立ててしっかり準備してたら本番になってから慌てることはないんれふよ」
「俺たち段取りって言うか、井戸端会議みたいなことしてないか?」
「それも計画の一環らと思えば・・・ほんじゃまあ〜そろそろ行きまふか・・・」
「パン、待ってろよ、絶対救い出してやるからな」
「帰ってきたらいっぱい可愛がってやるから・・・」
「なにも忘れ物ありましぇんね?」
「ないと思うけど・・・忘れたなんてまた戻って来たくないからな」
「俺はそういうの一番嫌いなんだ」
「大学へ行く途中でさ・・・玄関の鍵、閉めたっけって不安になって、確かめに
戻ってくる」
「見たらちゃんと締めてあったりするだろ・・・ああいうのめちゃ無駄な時間だと
思わないか」
「そんな話のほうが無駄に時間費やしてると思いまふけろ」
「そうだな・・・すまん、どうでもよかったわ」
健斗は持っていくリュックの中身を確かめた。
「え〜と・・・カップラーメン持ったし・・・着替えも入れたし・・・エアガンも持ったし・・・」
「どうしても、それ持っていくんれふね」
「お守りだよ・・・武器持ってるぞってだけで心強いだろ・・・たぶん使うことも
ないと思うけどな」
「あとは・・・スマホか・・・」
「その小さい電話・・・持っていってもつかえましぇんよ」
「あ、そうか・・・間抜けだよな俺」
中身を確かめて健斗は必需品が入ったリュックを背負った。
「食べ物はベンジャミンに任せるよ」
「はい、準備完了」
「冒険に出発れふ!!レッツゴー」
つづく。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます