第71話 十二月二十五日
朝六時半。起きたタイミングで人の気配を感じて、勢いよく玄関を開けた。
「びっくりしたあ」
目を丸くしたトナカイ人間姿ヴァージョンがノックする姿勢で立っていた。
「開けるなら開けるって言ってから開けてください。というか、聞いてますか、羽場さん」
弁天さんがいたら、またしても目をひん剥い滑降するモーグルスキーの勢いで殴打されるようなぴっちりした格好だ。長袖と長ズボンだが、冬特有のゆったりとした感がまるでない。衣装を選べよ、時期が時期なんだから。とはいえ、まずは家に入れるほうが先決である。
玄関を閉める時、地面を見た。トナカイの足跡――学習した成果で人間の姿となってブーツを履いて来た分、お利口さんと褒めてやって差し支えない――の他に、もう一人分の足跡があった。それはブーツでもシューズでも、はたまたかんじきでもない足跡だった。
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