第47話 買い出してみれば

 トナカイは、サンタのプレゼント配布の逆再生を高速で演じるように、名産品の菓子やら竹細工やら織物や陶芸品を特大のビニル袋に入れた。

「ところで、お能登さま。必要経費だということは容易に察しがつきますが、一体支払っているのは誰なんですか?」

 買い物物色中のお能登さまに耳打ちしたら、

「知らない方がいい」

 横目で一瞬俺を見てから吐くように言った。若干忌々しさが含まれていたのを、さらに突っ込んでは聞かない方がいいと判断した。

 試食コーナーを食い散らかして担当スタッフに冷や汗をかかせ、菓子をあれもこれもとねだる弁天さんの遠吠えが響いたが聞こえないふりをした。

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