第43話 依頼を終えて

 翌日、弁天さんに引っ張り出された。家電量販店へ、である。契約者は俺だった。帰宅すると玄関に段ボールが置かれていた。歪んだひらがなだった。どうやら鬼さんが持って来たらしい。開けると金塊の他、魚介類や見た事のない肉もあった。

「ああ、シカの肉だな」

 お能登さまが珍しく口元を緩めていた。

 夕食は鹿肉でお能登さまと弁天さんの酒が進んだ。


 その翌日はまたしても雨だった。小雨がシトシトと音もなく降っていた。時折思い出したように滴が何かを叩く音を聞いた。

 関節が病むわけでもないのに、どこかけだるくて、テレビが鳴っていたがたいして見ようともしなかった。本を読む気にもならず、ただお茶やコーヒーを淹れた。お能登さまも弁天さんもあまり口を利かないで、雨の日をこらえているわけではないだろうが、疲れていたのを理由にして動かないようだった。

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