第30話 弁天さん、駄々をこねる
結局その日は大野亀には行かなかった。というよりも行けなかった。理由。弁天さんが駄々をこねたから。
「だって~この時間から施術してもさ~、効果薄いんだよね~。ほら、夕方の波長に相殺されて、だから~今日はのんびりとね、施行前の骨休みってことで」
引きこもってた神が何を言い出すことやら。あの海鳥連れて来て、引きこもりの歳月を聞き出して反論してやろうか。とはいえ、精霊がご指名した神がそう指摘している以上、人間としては唯々諾々と受け入れるしかない。本当か嘘か知れないが。これを車内で申し出された時にはお能登さまが例の糸を無尽蔵に漂わせるから運転が危ないの危なくないの。ハンドルを握っている以上武器になりそうなのはしゃべりしかないので、口八丁でどうにかこうにかなだめすかした。そういう人間的社会的側面からもやはりこの日の出向は見合わせ、貸家に居候が一人増えた。
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