学園
眩しい……だけど目の前の景色が見えねぇ……眠ってるのか?
ていうか何で俺、寝てるんだっけ?確か入学式に行ったあと……そうだ!!睡眠ガスで眠らされたんだった。
あーー眠い、まだ寝たいけど起きたほうがいいか。
俺はガスのせいで重くなったまぶたをゆっくりと持ち上げる。
「んぁ?ここど……こ……へ?」
目の前にあったのは現代の技術で、作られたとは思えないほど洋風の大きい建物があった。
なにこれ……何だこれ!!
「でっか……いやていうかここほんとに日本?」
「ありえねぇ……」
口から乾いた笑いが出てくる。
「他に人は……いないか……」
周りを見渡してみるが人の気配が全く感じられない。
だが目の前の建物の扉が空いてるってことは、みんなそこに入ったってことなんだろう。
「まぁいってみるか」
俺はゆっくりと腰を上げ、目の前の大きな建物に入っていく。
建物内は洋風の学校とでも言えばいいのだろうか、とても日本の建物とは思えない。
中からは誰かが喋る声が聞こえる。
「ようこそ新入生の諸君、君たちが過酷な入学試験に合格し見事この学園へ入学したことを、ここにお祝い申し上げさせてもらおう」
声がした方に進んでみるとステージの上で、入学式で話されそうなテンプレの言葉を発している男がいた。
見た目からして年は20代後半……いや30代前半か?
「今ならまだ間に合うか?」
暗い講堂の中をステージ上の光を頼りに、人が密集している場所に向かって静かに歩く。
「次は生徒会長からの話です。よろしくお願いします」
生徒らしき人――おそらく2年生だろう――がマイクで言った。
するとステージの上が暗転し、ステージに向かっていたライトが俺等、新入生の後ろへと向けられた。
そこにいたのはまるで自分が王様だと言わんばかりに、俺等を見下している男がいた。
見た目は童顔にスラッとした身体がくっついている。歳は生徒会長っていうくらいなんだから年上だろう。
「どうもご指名いただいた生徒会長です。えーとまず皆さんご入学おめでとうございます。これから皆さんには、手首にある端末に送られる寮に行ってもらいます」
あれ思ってたより優しそうな人だ。
意外と話しが通じたりするのか?
「その端末には、わかりやすく言うとスマホと同じ機能が付いています。そして今から送るメールには、これからみなさんが過ごしていく寮への案内が書かれています」
手首にある端末?あ〜〜さっきまで気づかなかったけど、アリーナでもらったやつまだついたままだったか。
「それじゃあメール送りますね」
ピロンッという音とともに、端末がなった。
そこには一通のメールと地図が貼り付けられてあった。
「えーとこの後はもうそれぞれ解散してもらって、寮に向かってもらうんで後ろのドアから順に出てもらって構いません。これで生徒会長の話を終わります」
ライトが生徒会長の元から消え、再びステージ上に戻った。
その後はもう流れ作業だった、俺等は言われるがまま講堂から出てそれぞれの寮に向かった。
どうやらこの学園には5つの寮があるらしく、五角形のように連なっている。
俺が向かっているのは五角形の中でも右下に位置する4号棟――またの名を陽明寮である。
「えーとこれがこうだから?こっちか?くっそなんで地図がこんな立体的なんだ……」
生まれて初めて使う、立体型の地図に文句を垂れ流しながらも寮へと続く道を歩き続ける。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
多分15分くらい歩いた気がする。
曲がり角を曲がったあたりから大きな建物が見えてきた。
「やっとついたか……マジで迷った……」
とにかく中に入ろうと俺は門の前に向かう。
「はは、相変わらずでけー」
寮の大きさは近くで見ると、小さめの学校と言われても信じるくらい大きい。
見た目は木造で造られたでかい建物っていうのが率直な感想だった。
門の中に入るとそこには新入生の姿はなく、どうやら中に全員入ってるらしい。中からざわざわと声が聞こえる。
「俺割と最後の方っぽいな、まぁあんだけ迷ってたら遅れるのもしょうがないか」
寮の中へ入ると木造建築特有のなんとも言えない匂いが、鼻の奥を突き抜ける。
中では新入生たちがスマホを見ながら右往左往している。
どうやら自分の部屋を探しているらしい。
「ていうか俺もさっさと部屋探して荷解きしねぇと。休める時間も少なくなっちまう」
俺はさっきのメールを確認する。
さっきのメールには地図と一緒に部屋番号も記入されてたらしい。
「俺の部屋は――2階の205号室か、荷物も部屋の中にあるらしいしさっさと行こう」
寮の見取り図を頼りに2階に向かう。
「201、202、203、204、205――ここだ」
ドアの見た目は木造建築によくある木の扉に金属のドアノブがついた、まぁあまり綺麗さは期待できない簡易的なドアだった。
「まぁ開けてみるしかねぇよな……」
ドアノブにそっと手を回しゆっくりと、扉を開ける。
中から爽やかな風が身体を突き抜けた。
「やぁ待ってたよ」
中から聞いたことのある声がする。
その声の主は窓の縁に座ってこっちを見ていた
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