8. マベちゃんとサイコパス母ちゃん?


「ママ―、サイコパスってなぁに?」

 家でご飯中、突然聞いて来るマベちゃん。


「えー、なんだろ? なんか、気持ち悪くて怖い感じの人? ごめん、よく分かんない。後で辞書調べてみな」

 サイコパス、改めて訊かれると定義がよく分からないもんですね。

「でもなんで突然そんなこときくん?」


「なっちゃんがねーサイコパスなんだって」

 なっちゃんは、マベちゃんと同じクラスの友達です。


「なっちゃん言ってたんだけど、ネットのサイコパス診断でそうだったんだって」


「へーそうなんだ」


「好きなコの血を飲みたいとか言うんだよ。これってサイコパス?」


「そうねーそれはサイコパス、かな?」


「ふーん」

 どう納得したかは分からないけど、再びご飯に集中しだすマベちゃん。


 *  *  *


 話変わって。

 マベちゃんは近隣自治体が開いている、科学クラブのようなものに所属しています。


 1コースで1か月に1度自然観察とか実験とかがあって、マベちゃんは2種類のコースに入っているので、月に2回くらい何かしらの科学的な催しに参加しています。

 

 私がクラブの存在を広報かなんかで知り、マベちゃんにやりたいか訊いたらやりたいとのことなんで入りました。


 な・の・にっ‼

 マベちゃんは当日の朝、行きたくないとか言い出します。


 まあ、気持ちは分かりますよ。

 せっかく休みの土曜とか日曜、まだ眠いのにお母さんに科学クラブ行かなきゃとワーワー言われ起こされるんじゃ、ヤですよね。


 で、この前もまた布団の中で行きなくないとか言い出すんで、なんとか行きたい気持ちにさせようとお母さん頑張りました。


「いいなー、いいなーフナの解剖。お母さんもやってみたいな~」


 ちらっとお布団から顔を出し、こっちを上目で見るマベちゃん。


「マベちゃんって学校でカエルの解剖とか、したことある?

 お母さん、解剖ってしたことないんだよね~。もっと前の学年はやってたみたいなんだけど、お母さんの時はなかったんだよね~。

 だから、いいな~マベちゃん。解剖できて~~。

 お母さんもやりたいな~解剖!」


「ママってサイコパス?」

 布団からにょきッと頭を出し、嫌そうに口を開くマベちゃん。


「えーー……そんなこと、ない、と、思う……よ?」

 若干焦りながら答える私。


「ふーん?」

 疑わし気な目で見ながらも、布団から抜け出し起きるマベちゃん。


 その後、ちゃんと科学クラブに行きました。


 で、自分にサイコパス疑惑をもたれ、考えました。


 物語を書く人なら分かってくれると思いますが、色んなことを突き詰めて考えていくと、結構サイコパスっぽい考えになりません?


 例えば、自分がたまに考えるのが、1種類の食品でほぼ全ての栄養がとれる完全食とか。


(卵とか、魚丸ごと一匹とかが良いって言われるよね……

 でも、鳥とか魚じゃ、人間が必要な栄養とちょっと違ってるよな……

 と言うことは、人が必要な栄養は、人からとればいいよね……

 と言うことは、人をミキサーかなんかで混ぜて取り入れれば、人の完全食になるよね……

 でも、腸から吸収で出来る形になってるか分からないし……、髪の毛とか、骨爪とか。

 ……栄養って、吸収されてから血液によって運ばれるよね。

 じゃあ、血液を取り入れればいんじゃない!

 吸血鬼とか、結構栄養的に理にかなった栄養補給法なんじゃない!?)


 はい、ここでふと我に返りました。

(これって、なっちゃんがサイコパスなら、自分もサイコパスじゃない!?)


 いやいやいやっ、自分はサイコパスではないはずです!

 善良な一市民のはずです‼


 で、サイコパスという言葉を調べました。

『良心がなく、非社会的・攻撃的で極度に衝動的な人物であって、ほとんどの場合全く罪悪感を持たず、また他人とも永続的な愛情のきずなを結ぶことが出来ない人』

 みたいです。


 セーフッ‼

 自分ここまで酷くないので、サイコパスではないようです。

 よかったよかった。


 今度マベちゃんには、

「なっちゃんはそれ程サイコパスじゃないかもよ」

とでも言っときます‼


 ……ところで、1種類でバランスよく取れる完全食って、何だと思いますか?

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