第9話
「なるほど。しかしアルトの母君は全く君のこと考えられてないね。自身が死んでアルトが天涯孤独となってしまう可能性を考えられないなんて頭にどんな花畑を育てているんだい?」
「そもそも手紙に父とされるものの名前がない。書いてあったとして、お金を融資した侯爵がアルトが尋ねてくることを許さないだろう。ましてや君の話なんて侯爵家の門番ですら聞いてくれないだろうね。」
「せめて身分を証明するものがあればいいけれどもちろん侯爵はそんなもの渡していないだろうね。なんせ、自分の孫の存在を抹消してしまう人なのだから。」
「もしもの時のために相続先を前もって君にしていた場合こんなに苦労することはなかっただろうし、多分君の存在は侯爵と母君しか知らないんじゃないかな。」
私は明日生きるためのことを考えようとするあまり、こんな簡単なことに気づかなかったんだと自分が恥ずかしくなるとともになんだか母に怒りを感じてしまいました。
嫌なことを考えてしまい、自暴自棄になりそうになったとき、
(「b子はa子の味方。難しいことはb子に任せなさい。」) とb子はa子を慰めました。
うっすらと何か母に言われたことを思い出しながら完全に意識が沈みかけているときに
「どの侯爵か調べるのは簡単そうだね。」
とカイン様が話すのをきき、驚きながらもアルトは睡魔におそわれ眠りにつきました。
突然眠りについたアルトに驚きつつも
ジェラルドは口元に手を出し呼吸を確認したのち寝落ちしたことに気づき笑顔で横向きに抱き上げそのままベットに寝かせると、その隣でカインとジェラルドはアルトを起こさないよう筆談で話し始めました。
「(僕はアルトは女の子ではないかと思うな。)」
「(あぁ。母親が女性の場合そのまま妾にでもするだろう。追い出された時点ではアルトが女の子であることがばれてねえほうが辻褄があうしな。)」
「(そうだね。この国の侯爵家は7家。そのうち結婚しておらず、婚約者がいるもしくはここ数年で結婚した子息がいた家は4家。僕の予想で正しければアルトの父親はこの家にいると考えられるんじゃないかな。)」
とカインはとある侯爵家の名前を指をさし、
「(1日僕のそばを離れることを許可する。じゃあお願いね。)」とジェラルドにいつもの嘘くさい笑顔なんて消えきった無表情で命令をくだしました。
承知致しましたと口パクで一礼し
筆談した紙を手に持ち魔法で紙を消滅させるとジェラルドは深い夜の闇にまぎれていきました。
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