第4話 イラストレーター

 実際に書籍化作業をやってみて感じた事は……



 web投稿を続けながら書籍化している先生方は化け物か?!


 だった。



 一年以上前に登場したキャラを改めて書き直したりしていると「こいつどんな喋り方だっけ?」とか「あっ、この時点ではこの魔道具持っていなかった」とかで、一から読み返して脳内補正していく作業が大変過ぎる。


 やっていて脳味噌が爆発しそうになる。



 この辺りもテーマとか設定がふわっとしていた弊害といえる。



 またもやしくじりポイントだね。



 そうこうしながらテーマに沿った部分のボリュームを増やしたり、新たなエピソードも書き連ねていく。


 単純にweb投稿をそのまま一つにまとめたら、簡単に書籍化できる訳ではないようだ。呆れるほど直すところが多いせいだけど。




 いつもながら担当は仕事が早い。


 web会議が終わるや否や、数日と置かずにイラストレーターを選定するメールが届く。

「この方が? この人まで? いま放送中のアニメの絵師が?! こんな人まで?!」

 そんな素晴らしい絵を描くイラストレーターが候補に挙がっていた。

 いまだ第一稿すら仕上がっていないというのに。


 凄くなくてもいい。フェロウ達もふもふが可愛く書いてもらえれば満足です!

 選考基準はゆるゆるだった。


 参考画像を基に選ぶも、どのイラストレーターも持ち前の味があり、絵も上手い。人物については甲乙つけ難く、よりテーマに近い絵を基準に判断し、選んだ方を担当に連絡した。


 すんなり(かどうかは分からない)第一希望のイラストレーターに依頼される事となる。



 web小説を書籍化する。

 ただそれだけの事なのだけど、出版社選びも大事だと思った。

 出版社の規模や担当の人脈の広さによって、依頼出来るイラストレーターの幅も違うのではないかと考えたからだ。



 一社しか声がかからなかったので選ぶまでも無かったけどねっ。



 その後は第一稿を完成させ、それを基に加筆や修正を何度か繰り返し、最終稿を上げて、出版社から校正に外注する流れとなる。

 ここまでくればあとの作業は出版社に任せて、書籍化されるのを心待ちにするだけだ。

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