闘いの章
地獄を見ているようだった。
こっちに来る。
瞼を閉じて思い切り蹴り上げる。
濁った悲鳴が耳に届く。
恐る恐る目を開けると、奴は生垣に走り去っていいった。
雨が止んだ。
日差しに少し安堵する。
チャリのハンドルとサドルをタオルで
拭き、またがって公園を後にする。
路地に入るとカフェがあった。
チャリを敷地内に停め、レインコートを
ビニール袋にしまい、リュックに入れて
店内に入る。
「いらっしゃい」
ホットココアを注文した。
窓をみたが、奴はいなさそうだ。
運ばれて来たココアの甘い湯気が優しい。
カット・トゥー・キャット @mikazuki13
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