続・逃避の章

ひたすら自転車を漕ぐ。

目的地はない。

ただ、行ける範囲まで・・・

目の前を黒猫が横切り、あわてて

ブレーキを引く。

(またかよ・・・)

やがてスーパーに着いた。

店内に入り、イートインコーナーでラテを

飲む。

(これから俺、どうなるのかな・・・)

また強い不安がよぎる。

額の汗をハンカチで拭い、席を立とうとした

その時、後ろから「ニャア」と鳴き声がした

「ひっ!」

心臓が飛び出るかと思った。

普通の猫だった。

コラッと店員が注意し、店から

追い出した。

「すみません」

「あ、いえ」

もう、逃げられないのかな・・・

スーパーを出たら、近くに公園があった。

そこのベンチに座り、首がガクンと垂れた。

ポタ、ポタ…

雨が降って来た。

急いで辺りを見回すと、図書館が見えた。

とりあえずそこで雨宿りをする。

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