第8話

「しがらき君。やはり、ヒーロー細胞は大したものだよ。」

「先生にはよい功名でしょう。ですが、ジャスティスと五分五分。相手もヒーロー細胞をつくってきたことを考えると、やはり、いままでのような、オールマイト一強時代というのは難しいでしょう。」

「それはわかっている。だが、ヒーローが強いのは良いことだ。わたしは世間体ではヴィランと同じ。違法なヒーロー気取りの老人だ。」

「まあ、老人ってほどではありません。そろそろつぎのミッションを決めますか。ところでオールマイトの気にしてることはなんですか?」

「それなんだ。やはり、ヒーローといってもやって良いことの境目がある。それは明確にしておきたい。いままでの一連のヒーロー活動はやや過剰な行為が目立つんだ。これを防いで取り締まりたいわけなんだ。」

「ですが、オールマイト違法なヴィランと覚せい剤改造した、落ちこぼれやろう。世間ではそうみられていますよ。」

「わかっている。もとは警察庁からの仕事の拒否と、許可のないなかでのヒーロー細胞改造、それはわかっているんだ。だが、ここでやらないと大変なことがおきる気がするんだ。ひとは罪をおかした人間なら殺すのも肯定される、すこしのずるさも許されないせかいになってしまう。それを防ぎたいんだ。」

「つまり、せかいが厳しくなることを防ぎたいと?」

「そうなんだ。そのためにはなにをすべきか、、、」

「ではこれはどうでしょう。ヒーローが街で登場したら、”ヒーローに闘いを挑むのは?」

「きみは天才だ。悪名高きオールマイト。それも悪くない。」


せかいの形はいびつなかたちをしている。

賞賛されるべきものが卑下され、卑下されるべき人間が賞賛される。

それがおこりうるのもせかいだ。

きみはみずからの目で、ものごとの正義の是非を見極めないといけない。

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