第26話色んなクエストを受けよう(木の伐採編2)

~♪~♪


仕事の終わりを告げるアラームが鳴る。


「お、やっと終わりか。えーっと切った本数は…っと…」


伐採した木は一箇所にまとめてある。

合計本数は…16本。

依頼のノルマの2倍は切れていた。


「さて、木を届けて道具も返すから亜空間に木は収めるか」


俺は亜空間を木の真下に作り出し、そこに木を落としていく。

さすがに丸太のままで持ち上げるのはキツい。

亜空間に全てしまい終え、依頼主の元へ歩いた。



◇◆◇◆◇◆



それは依頼主に木を届けて斧を返した後、ギルドに帰る時だった。

まさかのゴブリンと遭遇してしまった。


「いや…確かに出くわしたら倒してみるかとは思ってたけど…本当に会うとは…」


相手は2体。

1体は棍棒、もう1体はナイフの様な物を握っていた。


「…これは…やるしかないみたい…」


俺は龍魔水晶剣を鞘から抜いて中段の構えを取る。

すると棍棒を持ったゴブリンが駆けてきて真上に振り上げた。

俺はすぐに後ろに軽く下がりながら剣を振り上げる。

ゴブリンはかわされると思って無かったのか、棍棒は見事に空振りするとバランスを崩してヨタつき、片膝を着く。

完全な隙が出来た。


殺らなければ殺られる。


殺るしかない。



もうここは────安全な日本では無いのだ。



ブォン!!!!!!!!


剣を思い切り振り下ろしゴブリンの左肩から右脇腹に掛けて斬る。


ブシャアッ!!!!


斬られた所から血が噴き上がる。

血の匂いが鼻にくるがお構い無しに残りの1体に駆け寄る。

残ったゴブリンは不利だと判断したのか俺に背を向けて走り出す。

だがそのスピードは遅く、すぐに追い付いた。

そして俺はすかさずその背中から心臓目掛けて剣を突き刺した。


ドッ───!!!!!!!!


ゴブリンはダラリ…と手足を垂らし、動かなくなる。


倒した。


自らの意思で剣を振り、目の前の生物に「死」を与えた。


「…フゥ…」


ようやく自分の意思で倒せた。


これで…


これでようやく…


(昇格…頼んでみるか)


俺は剣を鞘に収め、ギルドへと帰って行った。



◇◆◇◆◇◆



「すみません、依頼の精算をお願いします」

「ジェイルさんですね。えーっと…石炭採掘と木の伐採の報酬ですね。少々お待ち下さい」


受付の人は立ち上がって奥に行き、書類の確認をする。

終えたのか、各硬貨が乗ったトレーを持ってきた。


「はい、こちらが報酬で金貨2枚と銀貨3枚になりますが追加報酬で金貨3枚と銀貨4枚になりますね」

「ありがとうございます。あ、それから…以前の昇格保留の件でアーリアさんと少々話をしたいのですが…」


俺が昇格の話をすると受付の人はすぐに呼んできますね。と立ち上がり、俺を待合室に案内してくれた。

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