第24話 色んなクエストを受けよう(石炭採掘編2)

ガッ!!!!ガッ!!!!ガッ!!!!


俺は今ひたすらに石炭を掘っている。

作業を始めて30分くらい経ったが中々順調に掘れている感じだ。

一旦手を止めて腰を下ろした。


「フー...こういう仕事も中々アリだな」


日本にいた時は集団でやる仕事だった為、変に的外れな動きをすれば周りに迷惑が掛かる。

まぁ部署的に一人作業をする所もあったけど仮に異動してそこで上手くやれるか?と聞かれても俺自身1つの部署でしか仕事をした事しか無いから新しく技術を覚えるのにも時間が掛かるけど...


「量的には...これくらいかな?」


掘り終えた石炭を見ると大体2Lペットボトルが6本入るダンボール箱2箱分は集まっていた。

まぁ残念ながら宝石は見付からなかったけど。

そしてここからがある意味本題だ。

この石炭達を今から亜空間に入れる。

もしもその亜空間に入れた後、取り出す時に出せないってんなら意味が無い。

という事で試しに石炭を掘り出した時に出た岩達を入れてみる事にする。


「イメージは...そうだな...空間に突如現れた箱...っ事で...【亜空間】」


魔法を唱えると空間の一部が切り取られる。

中を上から覗いてみると真っ暗で底は見えない状態だが今回取った石炭は全て入るレベルの大きさだった。


「...この亜空間の容量ってどのくらいなんだろう...?」


底が見えればいいのだがこの大きさは大きい方なのか分からない。

とりあえずそこら辺にある石を中に入れて魔法を解く。

そして再び亜空間の魔法を唱えると再び上が空き、中には空間が出来てその中には先程入れた岩が見えた。

実験は成功だ。

という事で俺は集めた石炭を作り出した亜空間に投げ入れた。

スマホの時計を見ると10時半。

今日の予定では受けるのはこの石炭採掘と木の伐採だけ受けるつもりだ。

だから午前はこの石炭採掘に集中、一旦昼休憩を取って午後に木の伐採を受ける...という流れで行こう。

という事で...


「採掘再開だ」


再び俺は立ち上がり岩肌にツルハシを叩き付けた。



◆◇◆◇◆◇



「あー...疲れた...」


スマホの時計を見ると既に正午前になっていた。

石炭の量も前の休憩の時に比べて1.5倍程には多くなっていた。


「ま、ここまでかな」


依頼主からは前世でいうビニール袋一つ程の量を採れればいいのだが低ランククエストの採取系ではそこからまた多く取るとその分報酬も増える...つまり途中から歩合性になっている訳だ。


「まーこんだけ採掘出来ればいいでしょ。さ、判子貰って一旦街に戻ったら昼休憩にするか」


基本報酬+歩合性だから沢山掘り起こしても何ら悪い事は無い。

まぁ持って行ければの話だけど俺の場合"理の解除"を受けて無条件で作った魔法の亜空間に入れられるから楽な事この上無い。

という事で俺は掘った石炭を全て亜空間に入れて鉱山を後にした。



◇◆◇◆◇◆



「依頼主が紙になんか書いてたけど何だったんだろう?」


俺は依頼主の男性に掘ってきた石炭を見せると依頼票に何かを書いて判子を押し、俺に返してきた。


「…あ、もしかして多く取ったから歩合性の件で一筆入れてくれたのかな」


確認してないから分からないけど恐らくそうだ。

さて、先にギルドで報酬を受け取りたいが今日はまだやらない。

なんたって今回は複数の依頼を受けてるからだ。

だから伐採が終わった後にまとめて報酬は受け取る。

いくらになるか楽しみだ。

街に戻った俺は屋台を見付けパンと焼き鳥らしき物を買う。

ここでは食べずに伐採する現場に先に行ってそこで食事を摂るつもりだ。

という事で俺はパンと焼き鳥らしき物を買って路地裏に行き、亜空間に収納する。

この動作も杖を使わないで魔法を使ってるのを見られないようにする為だ。

両方を収納し、次の依頼票の詳細を見る。

確か、先程掘っていた鉱山の近くで木こりの人が住んでいるらしい。


「…こういうのってもしかして怪我か何かの為に事前に準備してるとか…?」


そう思ったがすぐにそれは無いかと自問自答する。

仮に怪我で仕事が出来なくなった場合、どうやってギルドに依頼すればいいのか?と思ったからだ。


「マジでどうやって依頼出してるんだろ?」


終わったら聞いてみるか…と考え、木の伐採に向かった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る