第23話色んなクエストを受けよう(石炭採掘編)
腹拵えを終えて再びクエストボードを見に立ち上がる。
次は外でのクエストに挑み、狩猟の練習もするつもりだ。
て事で並べられているクエストを見てみる。
………
……
…
選べるとしたら…
・鉱石採掘(主に石炭採掘で道具貸し出しあり、仮に宝石等の鉱石が掘れた場合要相談)
・木の伐採(建材用)
くらいだろうか…
それにこの2つ、お互いに場所が近いから選べるのもあるが俺が選んだ理由はもう1つある。
それは神と名乗る存在が言った"理の解除"がどれ程の効果を発揮するのかを試してみたいからだ。
木の伐採、鉱石採掘、はたから見たら木の伐採で木を切って持ち運ぶのに精一杯だ。
だが─────"理の解除"で持ち運びを必要としなくなったらどうなるだろう?
つまり、亜空間を無条件で作り出してそこに収納、その後に鉱石を採掘すれば両方とも出来るのでは無いか?と思ったからだ。
(…ん?そういえば2つの依頼を受けるのってありなのか?)
今まではずっと1つの依頼のみを受け続けてたからまとめて複数の依頼を受けるのは可能なのか不明だ。
(…考えても埒が明かないから2つ取って聞いてみるか)
俺はボードから依頼表を剥がし、受付に出してみた。
「あの、この2つの依頼を同時に受けたいんですけど…」
「えーっと…ラガス鉱山の採掘とその付近の木の伐採ですね?受けられますけど荷車等のご準備は出来ますか?」
「荷車?」
「はい、これらは量があるので基本的に両方共荷車を必要としてます。なので依頼主、もしくはギルドから拝借する形となるのですが…」
そういう事か。と納得する。
だが俺は試しに理の解除された俺の魔法がどれ程のものなのかを知りたい為、必要は無いだろう。
「ギルドからの荷車の貸出は結構です」
「分かりました。では依頼主の印鑑は忘れずにお願いします」
はい。とだけ答え、俺は街を出て鉱山へと向かった。
◇◆◇◆◇◆
鉱山の麓にある民家に着き、依頼主に確認してもらった。
依頼主によると普段は以来そのものは出してないようだ。
というのも前回の採掘で岩をツルハシで砕いていた時に尖った破片が足に当たり負傷したからのようで奥さんに依頼を出してもらったみたいだ。
俺はツルハシとランタンを借りてラガス鉱山へ向かった。
◇◆◇◆◇◆
「ここか」
本人の言う通り入口は分かりやすかった。
さて、仕事を始めるか。
俺はベルトに付けたランタンに火を付け、辺りを照らして歩き出し、洞窟の中へと入った。
ランタンは唯一の光源だ。
だが懐中電灯やスマホのライトといった文明の利器を知ってる自分が比べてしまうとランタンだと照らす範囲が心許ない…
でも贅沢言っても仕方無い。
せめて辺りを照らす魔法が使えれ…
………
……
…
俺はある事に気付き、足を止める。
(待てよ?そういや俺魔法使えるんだよな?)
俺は右手を眺める。
アンリさんの店では杖を使って魔法を使った。
それと"神"と名乗る者から"理の解除"をしてもらった。
"理の解除"とは言い換えれば"条件の解除"だ。
そしてその"条件"に"杖を使う"というのも条件に入るのなら────
(まさか素手で魔法が使える…とか?)
試す必要はある。
俺は右手を前に出し、手のひらに魔力を集めるイメージと光を出すイメージをして唱えた。
「【ライト】」
その瞬間だった。
カッ!!!!と巨大な光の球体が現れる。
が、大き過ぎる。
だが俺は魔力の抑え方を知らない。
なら少し気を散らしてみる。
すると少しづつ光の球体が小さくなった。
「…これならいける。けど片手が塞がるな…それなら…」
自身の手から発動させた魔法そのものを、手を離してもある程度の距離を取った状態で俺の動きに対して追従するイメージをしながら歩き始める。
案の定、光る球体は俺の横を付いてきた。
「成功...でいいのかな?よし」
俺は作った魔法を使い、石炭採掘を始めるのだった。
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