なんとも逆説的で悲しい、主人公とその身に宿るもの
- ★★★ Excellent!!!
この話の主人公の名は「くちなわ」。
蛇の異称、「くち」の付いた「なわ」というシンプルな感覚です。
けれど、人であるからには、そんな単純素朴なありかたとはほど遠く。
手に入らぬありかたを求め、たどり着けぬ境地に焦がれる。
それは「くちなわ」あるいは「長虫」にとっては、裂かれるような矛盾した、なんとも哀しい在り方なのでしょう。
長虫は、なにを感じながらかれを見送ったのか。里と山とに流れた哀しい物語です。