箱根の美術館2

都会人の感覚に当てられてしまった。



行き交う人々のファッションは洗練されていた。


男性はジャケットに革靴、あえて外しているのかジャケットにスニーカーというスタイルの人も見かけた。


すれ違う子どもたちは、幼いながらもどこかしっかりとした顔立ちで、女性たちは皆、華やかで美しかった。


はっきりと、住む世界が違うのだと思わざるを得なかった。



田舎のおじさんは、休日でも作業服を着ている。


年がら年中、サンダルで過ごす人もいる。


地域の寄合に、80歳を超えたじいさんが作業服で現れることもある。


日頃、茶系のふわふわした服を着ているのだから、じいさんにとって作業服は正装なのかもしれない。


そんな彼らは、今でも僕の憧れだ。



軽トラや軽バンが活躍する田舎では、軽自動車が恥ずかしいという感覚はない。


しかし、都会の高級車に囲まれた僕の軽自動車は、酷く見窄みすぼらしく見えた。


地元に帰ると心は軽くなり、軽自動車も心なしかご機嫌に加速してくれた。



人生において、「合う合わない」は、とても重要なことだと考えている。


……つまり、そういうことなのだろうか。

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