第3話 世界について
「さて、お楽しみ、ランク発表に参りたいと思います!!」
そういうと会場が今までにないぐらいの歓声に満ちあふれた。
「今回昇格した人数は…」
あるはずもない画面に昇格人数がパッと映し出される。
________________________________________
C級中位…約150万9000人
C級上位…約2000万人
B級下位…1900万100人
B級中位…200万5000人
B級上位…430人
A級下位…0人
A級中位…2人
A級上位…0人________________________________________
へーと思いながら話を聞いていると
「何年かの月日がたってもA級に昇格される方が中々現れませんね~。最後に現れたのは60年以上前でしょうか?」
「あの言い方は煽りだろ」
「まあまあ、、」
「それでは次に今この世界で起こっている問題について少しだけお話させていただきます。」
そういうと会場全体がシリアスの雰囲気になった。
「今現在、各地方で時空が歪み記憶喪失になってしまう方、存在しない記憶がある方、そして記憶以前に行方不明になってしまう方が続出しております。もし、心当たりがある方などがいればすぐに報告のほうよろしくお願いいたします。」
「思ったより真剣な内容だったねえ…」
「…だな」
「時空意外にも″時間のズレ″などの問題も発生しており、1日が少し長くなったり、短くなったりなども起こっております。原因を見つけた方は直ちに連絡してください。」
(そんなことがありえんのか?なんか嘘くさいな…)
「…さて!!それでは今回の集会もとい、ランク発表のほうはお終いにさせていただきます!!皆様どうでしたか?昇格のほうはされていましたか?それではまた数年後にお会いしましょう!!」
そう言い司会はドアの奥に消えていってしまった。
「え、ええ?もうちょっとこう…解決策話すとかない…?そんな終わり方ある…?」
「解決策以前に、今の段階では解決しそうにないんじゃないかな?」
「にしてもあんな終わり方ないだろ!!?」
「終わり方は確かに、う、うーん…」
そう文句を言いながら俺たちは会場を出た。
「というかランクが上がったのは良いこととして、それにつけあがって調子乗るやつが出てくるよな~…」
「それはそうだろうね。圧倒的実力社会だからね。うちは。」
「それもそれで面倒くさい…」
「せいぜいB級中位ぐらいのやつが調子に乗り始めるからね…そういう言っても強くないやつが痛い目見るんだから…」
「はあ。それをお前が言うか。」
「ちょ、ちょっと!!私はB級中位じゃないでしょ!!?」
「落ち着けって」
駄弁って若菜摘と帰路についていた。今日はもう帰ってねるだけだなー!とテンションが上がっていたその時、
「おい!!俺B級上位に昇格したんだぜ!」
「凄ーい!!俺はB級中位のままだぁ…」
「俺もギリB級中位だったよ!!やっぱ雅尚はすげぇな!!」
「へへっ、だろ。ところで、そこのお前はどうだったんだ?」
「あ、え、ぼ、僕は…C級上位…」
「え!?wwマジかよお前wwなんの実力もないなって思ってたらほんとに昇格もなし?
B級下位にもなれないなんてヤバくね?w」
「ちょっと雅尚wやめたげなよw」
「うわ、噂をすればだよ」
「で、ですね…」
俺たちは小声でヒソヒソとバレないように話し合った。
「どうする?もうこれあの子には悪いけどそっとしとくしかないよね?」
「だ、だよね、あの子には悪いけど私たちも面倒ごとに巻き込まれるのは嫌だし……」
「そうだ。もう何事もなかったかのように通り過ぎよう。」
「う、うん!!」
計画は【何事もなかったかのように通り過ぎる!!!】これでいくことになった。
俺たちは、「え?聞こえてませんよ?俺たちは俺たちの会話に集中してましたので。え、なにを話してたかって?いや、ほんとうに、タバスコは水上置換法で調理させるのが1番ですよねって話してました。」という建前をつくって堂々と通り過ぎることにした。
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