第3話 突然のサメ

その日はやってきた

晴れときどきカエルがふるなんて映画のラストにあった気がするが

この世界ではサメが降った

阿鼻叫喚とまではいかない

みんな建物に入りやり過ごそうとしていたが

ガラスである部分とアクリルである部分で被害は違うものの

建物内にサメの侵入を許した


陸地を海ぐらい泳げるサメもおり

最初はバリケードをはったり大変だった

バックヤードなどで使う荷物運搬用のカーゴを

うまく使い捕獲する隙間から武器でとどめを刺し

このパターンでほぼ倒した

ラストバトルとばかりに沿いとにいるサメ3匹を

パフォーマンス込みで倒したが

中のサメの処理で誰も見ていない

サメはサメなので鼻先の感覚器を殴ると大人しくなるし

裏返すと動けないという、豆知識を試すほど余裕であったので

ひっそりと終わってしまった


リンダ「お疲れ様」

いつもカフェオレをくれる

餌付けというやつか、一緒にうまいドーナツも持ってきてくれるのだ

「ありがとう」

リンダ「いつまでこんなこと続くのかな、結構限界」

珍しく疲れた表情をみせている

「原因がわからないんだから悩んでもしょうがない

今日を生きるだけ、今飲み食いしてる食べ物は美味しい

それでいいじゃないか」

返事はなかったが、しばらく2人でいた


食べたいから焼き鳥を炭火で焼き始めた

キャンプでやってはいたがなかなか楽しい

タレは市販、塩は塩コショウのミックス調味料と味の素

塩ダレにつけるなんて高等テクはなんか違う気がする

匂いにつられてリンダもきた


「もお食べれるよね」

「まだだちょっと焦がす、それがポイント」

「私お酒持ってくる」

甘いチューハイとビール

レモンサワーのレモン強め

そこまで飲んだのは覚えているが

気がついたら朝だった

柔らかく温かいテントにリンダがいる

正確には私に体重を半分かけ首に手を回していた


無意識下とはいえこんな大胆なこだったのか

朝の生理現象なのかはわからないが

色々まずいのでトイレで用を足してきた

がっかりすべきなのか喜ぶべきなのか何事もなかったように

リンダはコーヒーを入れ微笑み渡してきた


「昨日は楽しかったね」

ただそれだけ言って微笑みコーヒーを飲み終わると屋上から降りていった

何があったのか記憶を少したどりたいような怖いような


いつもやってることは土木作業が多い

ゾンビの襲撃に備えてバリケードと掘りを巡らせる

女たちも中には手伝うものはいるが

大量に手に入ったサメの肉を加工することに人員を割いている

何でもほぼはんぺんにするそうだ

白身だからといってフライにしていたが

アンモニアの臭さでばらつきがありおよそ食べれないものがあった


どこで聞きつけたのか

サメ肉を分けてもらいに他のコミュニティが訪ねてくる

物々交換として持ってくるものは酒タバコ缶詰

経済が崩壊するとやはり嗜好品は強い

ついでに珈琲や紅茶を交換してほしいとショッピングモールならではの依頼もある


逃げ込んだ場所によって食料品のばらつきがひどく

ホームセンターなどはレトルトとスナック菓子

缶詰酒飲料はあるものの

野菜は最近やっと種から育ったばかりとか

多少アンモニア臭くてもサメ肉はそのままほしいようだ


野菜などの食料それから出る生ゴミよってくる虫を捕食に

小動物が集まり猛禽類まで近くに住みだした矢先

困ったことがおきた

ウイルスに感染したネズミだ

他の小動物を襲いそれがゾンビ化していることを恐れ

食料地区までフェンス管理網やバリケードブルーシートで隔離して

被害を防ごうとしたがもとからバックヤードにいるネズミたちまでは難しい殺鼠剤を設置してゴキブリもついでに殺虫餌を置いて退治


ほころびからすべてが崩れる

蟻の穴程度と油断していたダムは決壊した

夜中にゾンビネズミに噛まれた仲間がゾンビとなり次々感染し

屋上に上がってきた鍵は単純ドアにつっかえ棒

アウトドア用のロープもあったので固定したリンダとエリーは私を頼ってきてくれたわけだが、可愛そうだが他の人間はかまってられない

緊急事態に2人を抱えアレを試すことにした


「いいか俺にありったけの力で掴まれ」

「えっ何するの?!」

「飛ぶ、説明はあとだとにかく掴まれ」

2人を抱えて思いっきりはしって屋上を蹴りとんだ

屋上を蹴るときに多少屋根壊れたが思ったとおり

スーパーマン気分だ風は強くたまに当たるなにかはいたいが

とんでもない跳躍力だった


スーパーマンは地面を蹴って滑空している

そうスピードのコントロールは自力でやるしかない

ゆっくりと落下が始まったところで

森と水の2択があったのはまだ良かった

全員ずぶ濡れなだけで2人は無事だった

3人で声を上げて緊張からの緩和で大声で笑った

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