第2話サメだってゾンビだって生きているんだ友達なんだ
ハリウッド映画の使い古されたZ級ホラー設定ような
サメゾンビ人間になったわけだが
まずギザ歯になりやはりだんだん腐臭のようなものが
鼻を突くようになってきた
自分のためじゃないんだ周りの人のためなんだと
香水を何個か持ち歩きふっている
「いい匂いがするね」
急に話しかけてくる
「食材調達で何度か一緒になった」
「リンダ本当は林田だけどみんなそう呼んでるからそう呼んで」
急に身の上話が始まり、これは好意があるのかないのか
少し焼けた肌が健康的でスタイルも悪くない
離れ離れになった弟を心配してるることなど鼻声交じりに話してくれた
「弟さん見つかるといいな」
そういって別れようとすると
「これ持っていきなよ、あんた丸腰だろ」と小ぶりなナイフをもらった
「助かるよ」
サメゾンビ人間とは知れ渡ってないようで
護身用ということなのだろう
何かの役に立つかもしれないのでありがたくいただいておいた
さて自分の体を知るという作業をさぼっていたわけではない
何ができるか検証していた
サメっぽくなるが地面を割りながら素早く移動できる
泳ぐというよりモグラの穴掘り移動を早くしているような
ものでアスファルトはなかなか厳しい
ただ並外れた身体能力は備わっており
どこまで飛べるかわからないぐらい飛べる
着地を考慮してそこまで飛ばないが
スーパーマンの初期設定のように飛んでいけるのではないか
もちろん丸太ぐらいなら切れる手刀などスーパーヒーローかヴィランか
といえばヴィラン側の見た目で少しほかの人間にはみせないでおこうと思う姿になってしまう
ゾンビ要素についてだが不死身というより超再生能力
で怪力と人の形を保つサメももしかしたらゾンビの要素なのかもしれない、人並み以上の運動能力と筋力はあったが筋トレが楽しいばかりで
特に生かしてこなかった
自己肯定感を保つためにも筋トレも無駄じゃないと
付け加えたい
「何握りこぶししながら噛みしめてんの?」
「きゃ!」
ナイフを構え飛びのく女性
最初にあったエリーだった
もちろん絵里なのだがゲームの中の名前のようにエリーとなるようだ
「あっあんた、化け物としか言いようがないわよその姿!意識はあるのよね?」
早い動きをしないように気を付けながら両手を上げ
大丈夫だと伝えた
大体の能力を伝え任されたことが
畑を耕す
そう地面を泳げばいいだけなので楽だが
耕運機なんかも動かす燃料はあるが節約したいそうだ
納得いかないまま作業をこなした
「お疲れさまー」
従業員用のシャワーと無理やり作った風呂場があるそうなんで拝借したが男女別なので間違えるなと言われた
改めて風呂で体を洗おうとすると泥などシャワーをかけるだけで落ちる
湯船に浸かるとき少し熱い温度だと生臭くなるのは
いやな体質になったが茹で上がることもないし
使ってゆっくりした
少し寝てしまった
カーテンが締まっているので
個別にはいれるが仕切りのない
大浴場のようになっており
寝ぼけ眼にリンダが全裸になってるのを見て
ビンタされた
わざとではないが女湯だったようだ
道理でかわいい風呂グッツばかりだと思ったが
売り場から調達できたものがそれだったと勝手に解釈していた
お湯に浮かべるアヒルやおもちゃ類もあるし
ほんとに兼用なんだな
1週間もこちらに来ていないが
生きるための採取やコミュニケーションは悪くない
夕飯を食べた後立体駐車場になっていた屋上で星を眺める
かってに持ってきたであろうキャンプグッツは先客がいた証
椅子も悪くないし雑魚寝もいいがおいてあったハンモックがお気に入りだ
そのまま眠りに落ちた
晴れた日は放射冷却で屋上はヒエヒエだ
ガスでおゆをわかしインスタントコーヒーを飲む
屋上から眺める風景は最高だが
今日は思わずコーヒーを吹きそうになる
襲撃があったらしい
朝からみんなでゾンビを片付け、防護設備を修復している
寝室設定されたある場所はアラームが鳴るのだが
勝手に寝床を変えた私に届くわけもなく
エリーにこっぴどく叱られ
リンダに慰めのカフェオレをもらった
大型ゾンビを持ち上げ一人でほうりだし後片付けでも
役に立つ怪力で挽回
なるべくみんなと一緒に寝たいが
新入りなので話しかけられ
修学旅行の夜のような騒がしい就寝前になっていた
やはりエリーは女ながらに頼れるとか
リンダは憂いを帯び人気とか
他の地域もやはりショッピングタウンやモール
病院なんかが人気で集団で暮らしているらしい
温泉施設やスーパー銭湯かけ流しのものは
確実に入れて清掃もかねて定期的に車で向かう
ガソリン車で移動しても価値がある施設ということだろうか
人がいなくなって暫く経つ空気の淀みは外部侵入のない証と放置され
かけ流し温泉の露天に向かう
ツボ風呂に寝湯
露天風呂2個
終末世界にしては豪華、湯船に沈む枝やかるく浮いてる虫なんかを
すくって捨ててあとは温泉を楽しむ
極楽、温泉はやはり普通のお湯とは違い芯まで温まる
雑魚寝できるスペースで横になりふと目覚めたとき
辺りは暗闇だった
「しまった」
新入りすぎておいてかれた
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