黒い神話 第7話 神の山の章

人里離れた山の更なる山奥の ちいさな集落

時の流れすら忘れられたように 時を刻まぬ村

そんな村の唯一の禁忌

村人が恐れ敬う 神の山

その土地神様のいる山の裏側に

もう一つの神がある

山の主様すら寄らぬ 昏き場所

山受け継ぎし一族の 代々守りし神

その神の秘密

元は落ち武者の里だった村

逃げ伸びた落ち武者が辿り着いた村に

武士たちは助けを求めた

村人は武士たちを救った

はずだった

村人は武士から金品を奪い取り

殺して埋めた 山

災い事を恐れた村人は 神として武士を祀り上げ

昏き山の一角にひっそりとちいさな祠を作った

災厄が訪れれば祟りだと逃げまどい

怒りに燃える村人は罵詈雑言を口にする

奪った金品は村人の各々の家に隠された

それを知るものはもう僅か

偽りの血筋を信じた子孫が 家々に飾る家紋の数多の宝

命と引き換えた だいじなたからもの

昔々の 罪の山

あの山には確かに 何かが息づいている

呪いとは ひとが作りあげているものなのだと

誰が知る

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