黒い神話 第8話 叛徒の章

慈愛の慧眼持つ神在り

濃墨(こずみ)の夜 心寄す信棒あつき者 神より賜りし力と矛

御為と手に目覚めるは禍の黒き種

力得し者愉悦の破壊者と成り下がり

その我欲留まる事を知らず

神騙る邪知暴虐の王と嘯(うそぶ)く

慈愛神の祈りは暗き呪いへと満ち満ちて

安寧の世 無常に散るも

禍の黒き種 裏切りの結実の実となりて

偽りの王の中 硬く黒く熟していく

実が孵る刻 無数の黒き蟲その身から這い出し

五五八八(ごごはちはち)すら待たず 罪咎(ざいきゅう)ごと魂まで食らい尽くす

神の意志欺く事 その離反すら許されず

恨み侘(わ)ぶ業苦の中 愚かなる慚無(ざんな)しを晒す


底から見上げた光の眩しさに目が眩み得た力よ

過ぎたる力は身を亡ぼす

失った水は還らない

まがいものは何処までもまがいもの

天網恢恢疎(てんもうかいかいそ)にして漏らさず

神になり得ぬ存在の 神罰は下る

神の嘆きは如何程(いかほど)か

滅せし者 沈黙の静寂に沈み消えるのみ

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