第51話

 魔蟲の密林の攻略が完了してから次のダンジョンには行かずに、僕はゴブリンの洞穴の攻略を行なっていた。


 その理由はボス攻略が終わった時に現れる転移の魔法陣に用があるからだ。


 転移の魔法陣を捕食して新しく召喚が可能になるスライムは確実に単位に関係のあるスライムのはず。


 そう思ったからこそ、僕はゴブリンの洞穴の攻略を行なっているのだ。


 朝一番にダンジョンに潜り、スライムたちを先行させる事で遭遇するゴブリンや道中のトラップを排除して貰い、真っ直ぐに階段を目指したお陰で2時間も掛からずにボス部屋に到着する。


 「リム、任せたぞ。」


 『うん!じゃあ行って来るね!!』


 リムは多数のスライムたちを連れてボス部屋の中に入って行く。


 これからリムとスライムたちだけでゴブリンの洞穴のボスモンスターであるゴブリンリーダーと取り巻きのゴブリンたちを倒しに向かった。


 今のリムとスライムたちなら余裕でゴブリンリーダーもその取り巻きのゴブリンたちも余裕だろう。


 実は魔蟲の密林のボスモンスターであるクイーンホーネットを倒し終わった際に、ギフト【スライム召喚】が成長したのだ。


 今は掛け合わさ召喚の掛け合わせられるスライムの数が3つに増えている。


 だからこそ近接型も遠距離型もスライムたちは強くなっており、ここまでの道中に現れたゴブリンの群れも掛け合わせスライム1匹だけで始末が可能なほどだ。


 ゴブリンリーダーが指揮を取って通常よりも強くなっている取り巻きのゴブリンたちでもスライムたちだけで余裕に倒してくれれだろう。


 その間にリムがゴブリンリーダーを始末すれば、それだけでゴブリンの洞穴の攻略が完了する。


 『マスター、終わったよ〜。』


 「(分かった。送還するぞ。)」


 『うん。お願い!!』


 どうやらリムとスライムたちはゴブリンの洞穴のボスモンスターたちを倒し終わり、ドロップアイテムと宝箱の回収と転移の魔法陣の捕食が終わったようだ。


 そんなリムとスライムたちを送還した俺は再び、目の前にリムとスライムたちを召喚してまたボスモンスターを倒しに向かわせた。


 これを繰り返せば転移の魔法陣の捕食や宝箱から手に入るアイテムの入手が行なえる。


 その間、この場で待っているだけでは暇なだけだ。だから、今も護衛に残っているスライムたちの半分を5階層の探索に向かわせると、僕は時々スライムが新しく召喚可能になっていないかを確認しながらリムとスライムたちを送還と召喚を繰り返し行なった。


 それから8回目のゴブリンの洞穴の攻略が終わった時に新しく召喚可能なスライムが追加されたのが確認される。


 「よし!」


 新しく転移魔法陣のお陰で召喚可能になったことが嬉しくてガッツポーズをしてしまう。


ゲートスライム

場所と場所が繋がるゲートになる特殊なスライム

魔力を消費してゲートを作り出すが、消費魔力はゲートスライムとゲートスライムの距離で変わる

攻撃方法

体当たり

体内に取り込んでの消化

体長30センチ


スライムトラッパー

トラップを見破り解除し仕掛ける特殊なスライム

魔力を使いトラップを解除する

攻撃方法

体当たり

体内に取り込んでの消化

体長30センチ


 これが昨日と今日で新しく増えたスライムたちだ。


 魔蟲の密林では条件が達成しなかったみたいで、スライムインセクト○○○と言った感じのスライムたちは召喚可能になっていない。


 これで何処か一ヶ所にゲートスライムを召喚して置けば、僕は色んな場所に好きな様に移動も可能になるだろう。


 でも、どれくらいの距離でどれくらいの魔力を消費してしまうのかを調べる必要はありそうだ。


 それにゲートスライムの待機場所も考えないと好きな場所に好きな時にゲートを開くなんてことも出来ない。


 これは父さんに報告して幾つもの実験をしてからにした方が良いだろうな。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る