第7話:法律は当事者を守れるのか ⑦

そのうえ、現在は大人だけでなく、子どもでも“当事者”もしくは“グレーゾーン当事者”は存在することから、これらの対応を進める上でも重要であり、マイナンバーカードを発行していない人の場合は別途カードを発行する、システム開発・構築を行う等の異なる対応方法で行うことで本人の“意思表示カード”として活用出来ることから、残るは“これらのカードの法的拘束力の発令と発令に必要な法律の整備という事になる。


 しかし、私が情報収集を行っていると出てくるのは“性同一性障害特例法”や“LGBT理解増進法”(=性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律)など法律は存在しているが、これらの法律が根本的な問題解決には至っていないだけでなく、定期的な法的精査等が行われていないことで時代の変化に対応していない事が多く、これらの問題に関する法的判断等を求められた場合に裁判所や裁判官(裁判員を含む)の裁量権を用いるのだが、与えられた情報から判決を出さなくてはいけないのだが、これらの判決を出すために判例を参照するなど判断の基準や法的合理性に基づいた前例に類似する判断が必要になった場合に用いられるのだが、同じ裁判でも当該判例が出てから5年以上経過している場合は同じ判断を今回も出すことが望ましいのかを決断する事が難しくなり、時代相応の新たな判断が求められることから、法律だけが変わらず、社会が変わっている場合にはどちらかの立場のみ保護されるという事が多くなってしまう。


 今回の判例に関しても④に関しては違憲となったが、⑤に関しては高裁差し戻しという違う判決が出た背景には④に関する過去の判例において“社会状況の変化などにより判断を変更する可能性がある”という判例があったことから、裁判官としては現在の社会認識を鑑みて判断できたのだが、⑤に関しては過去の判例がなく、法的言及(ex.特定の項目に対して変更示唆等に関する記載の有無)もなかったことから、さらに議論を成熟させる、慎重に決定する必要があったと判断したのではないかと思うのだ。


 これは社会において一般的な判断であると私は思うが、④が違憲と判断されたことで政府としては法律内容や適用条件などを精査し、改善する事が求められるのだが、この部分の改定がきちんと進んでいくのかという疑問も残る。


 なぜなら、前回の判決において“条件付き判断”であったことから今後同様の事例が発生しない、裁判に発展しないという保障はどこにもないのだが、法律上の解釈が変更されなかったことで、今度は法的判断が求められた場合の判断基準が前回の判例に倣う形で出す事が望ましいと判断されたことで社会の変化があったと認められた一方でこれらの判決に対して反論や批判をする人も多く見られたことで社会の混乱を招き、社会の分断が発生する懸念があったが、問題が特定範囲から社会全体へと波及していったことで判断が変更されたという点では一歩進んだという認識で間違いないだろう。


 しかし、これらの判決が出たとしても状況が大きく変化しているという判断は難しいことから状況を楽観することは出来ない。


 ただ、このような判決が今後増えていく事は社会における“特定思想に対する価値観の変化”につながり、相互理解を進めていくためには必要な事であると思うのだが、これらの判例が今後の社会における“差別行為の助長”や“子どもに対するいじめ発生のきっかけ”となってしまう懸念もある。


 その理由として、現在は個別理解の個人差が拡大していることから、適正な知識や理解をしている大人もいるが、そうではない大人も存在しており、前者の場合はいじめが発生する懸念はないのだが、後者の場合はいじめが発生するだけでなく、両親などに対する差別や偏見なども発生する可能性があるのだ。

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