第6話:法律は当事者を守れるのか ⑥

そのうえ、日本の場合は子どもよりも大人を優先する社会傾向である事から、大人にはスポットライトが当たるが、子どもにはあまり当たらないことで子どもたちに性的マイノリティに関する授業や講演などを行ったとしても、これらの講演会などで聞いた話をどのように活かしていくのか、実際にあったときにどのように接して良いのかを実際に使う場面を作ることが求められるのだが、仮に子どもの当事者がいたとしても、講演会などで聞いた内容を理解し、イメージすることは出来ても、実際に活用してみるとなると神経質になる子どもや十分なケアが難しいため、すぐにトラブルになるというケースは多いのだ。


 なぜなら、講演会などで話されているケースはあくまで一例として考えられていることから、全ての子どもたちが同じ考え方をするわけではないし、同じ方法で距離を縮められるわけでもないのだ。


 そのため、このような講演会で学んだことをそのまま相手に対して行うという事はあまり好ましくないことから、時間をかけて今回得た知識などを正しく整理させる事や講演後にフィードバックや正しい理解を出来るようにフォローアップするなどかなりセンシティブなテーマである事から、他のテーマと同じように扱うという事は避けなくてはいけないと思うのだ。


 特に海外のように共存社会を形成できている場合には問題ないのだが、現在の状況を見たときに共存社会が十分に機能していないことから、周囲がどういう人かをきちんと理解している状態ではないことで、当事者外から先入観で人を判断されてしまうことや自分の悩みなどを第三者に伝えることが恐くなるなどこれまでの日本における慣習がこのような少数派に対する社会的立場の低下を招き、共存社会から遠ざかっていくという傾向が強くなっているように感じるのだ。


 そのうえ、これらの問題をどのように扱っていくかもそうなのだが、これらの問題に対する法律上の解釈や法的拘束力の範囲など今後共存社会を目指していくために必要な環境整備をする際に求められる部分が十分に議論されていないことから、実際に問題が起きたとしても十分に議論されないだけでなく、これらの問題に対して適正な対応が出来ないという可能性もあるのだ。


 これは私が以前から危惧していることなのだが、このような少数派の意見が社会に通らなくなることで今度はあらゆる弊害が出てくる可能性やこれらの弊害による実害が発生するのではないかと思う。


 例えば、現在政府が重点政策として力を入れている政策の1つに“マイナンバーカード”があるが、このカードをマイノリティ証明に活用する事は出来ないのだろうかということだ。


 なぜなら、マイナンバーカードには個人情報がいろいろと入っているだけでなく、現在は公的証明書としても利用することが出来るようになっていることから、今後紐付けを目指す領域も多数あるが、法的観点に立った際に求められる機能として婚姻届の代わりに“同性婚姻届”(仮称)や“性的マイノリティ証明”(仮称)など個人の意思表示のためのカードとしても活用する事が望ましいのではないかと思うのだ。

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