あのお寺 ~中編~


「『いまはむかし、この地に降り立つ神の使い。神は人に文学を、美しい容姿を。裂けた大地に水路をもたらし、食もたらす。神の使いに感謝した民は、その神を[文神ぶんしん]、[美神びしん]、[食神しょくしん]としてまつった。』――まだまだあるけど、主要はこんな感じね。」

「「蘭々さん!?」」

 上から目線の言い方、いじめグループ所属。金持ち娘のカースト上位。私たちの中で、嫌なイメージしかなかった彼女。げ、って感じだ。第一、どうして関わってくるの?何か悪巧みでもあるの?私たち全員不安で爆発しそう、、、


 ビックリしてちょっとにらんでしまった。それだから、こんなことになっちゃったんだ。

「「わああああ~!」」

「なによ、その疑いの目は!せっかく私が話しかけてやったのに。何か文句でも?」

 1cmの至近距離から攻撃される。私も雪菜ちゃんも、魂が抜けかけてる!

「こら篠川!いままで散々この子たちに迷惑をかけておいて、その対応は何!この子たち、あなたにビビって魂見えてるの!」

「いやぁ~!ビックリしたよ!!蘭々さん、と、瑛流てるるさん?だよね~!」

雪菜ちゃん、復活早い!

「あ、あの、なんのようです?」

「ビビんなってもも!せっかく話しかけてくれたんじゃん!?ほらもっとフレンドリーに!」

ああ、チャタローまで、、、

「大体、ももが蘭々さんのこときら(い)、、、違う。に、ニガテだった理由って、」

()のところをうっ、と言いかけてストップ。理由は瑛流さんから話してくれるようだ。

「あのね。ごめんねうちの蘭々が!」

「瑛流さんて蘭々さんの保護者だったの?!」

絶対違うって衣くん。勘違いにもというものがございます!

「「今までのご無礼を、お許しください!!」」

なにがしたいんだこの二人!!もう、やめてくれ、、、

「「「わぁ~!!もも~!?」」」


***


ここはどこだろう。


ふわふわしてて、気持ちがいい、、、


「おーい。おきた~?」


う、やばい。

「まぶ、し、、」


「ああ、ごめんね!」

雪菜ちゃんだ。


「うーん、、、まだ暑いね、、、」

私は、機織邸にいるみたい。

「覚えてないの?ももちゃん、ちゃんと自分でここに来て、お水を飲んでから倒れたんだよ?」

あ、そうなの??

・・・

「あれ、蘭々さんたちは?」

「いるよ。私の部屋で、パーティーゲームしてる。」


は?


「もう、そんなに仲良く?」

「うん。蘭々さんああみえて実はコミュ障でね!わたしとか、ももちゃんとかとお友達になりたがってたって、瑛流さんが。」

うそだな。

「じゃあ、いじめの件は?」

「ああ。蘭々がその場所にいたから勘違いしてたのかもだけど。私たちは直接やってなかったって、瑛流さんが。でも見てるだけでもいじめグループの見方だから、いじめたことと同じだからって謝ってた。」

「、、、謝ったのはどっち?」

「どっちも。」


うーん、、、

「許す、、、か。まあ会ってみないと。」


***


「おらっ!なかなか強いな糸兎!」

「へへーん。次元が違うんだよなぁ~!」

「ちょっとこのゲーム、めっちゃ酔うんだけど、、、」

2階にある雪菜ちゃんの部屋は、パーティーゲームでパーティー部屋。お菓子とジュース、きれいな部屋のはずなのに、男子と糸兎ちゃんのせいでぐちゃぐちゃして見える。部屋の隅では、湯飲みを持った銅像、じゃなくて姫芽ちゃん。和洋折衷、ごっちゃごちゃになっちゃった。


「「あ。」」


蘭々さん、瑛流さんと目が合った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

むかしむかし、あるところに 杏仁ドウフ @annindofu0807

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ