　事なかれ主義で刹那的な人間である。怠惰というのがいいかもしれない。

　判断基準は「面倒だからしない」「面倒だがしないと更に面倒になる」「気が向かない」「なんとなく」程度である。必然的に超インドアである。コロナの前からコロナ自粛しているようなものだった。そして今も自粛しているようなものである。

　こう書くと矛盾していると感じられるかもしれないが、学生時代意図的なサボりはしなかった。サボるとより面倒だからというのが大勢だが。

　面倒な天邪鬼な性質。

　十分に反駁され得なけれない主張をされると批判的に考え（表面上は適当にしている。面倒だし）、白けて無視する。常識だったり流行だったりはどうにも好かない。マナーだとかは面倒が起きない程度にスルーする。流行りと言われれば反射的に眉をしかめる。嫌なパブロフの犬。どうでもいいが「スルーする」の語感は気に入っている。

　行事事だったりはとことん興味がない。

　大晦日だったりクリスマスだったり、なんちゃらの日だったり、将又誕生日だったり。それらを楽しもうという気もなかった。ディジタル的思考と対比してのアナログ的思考なのか、十二月三十一日の二十三時五十九分と一月一日零時の違いを大して感じられなかった。自分が祝おうと決めたのならともかく、伝統や他人が祝っているだけだった。

　人付き合いしないで済むならそれに越したことはない。あれは疲れる。

　人と接しなければならないときは明らかにスイッチが入り口角が上がる。そして嵐が過ぎれば普段の忌々し気な顔をしているのである。