沙羅の羅紗は修羅ならば　

―― 自身の仇を討つため、少年僧侶は神木で出来た義手で魔刀を取って鬼になる決心をした ――

　江戸の終わりに異星よりの使者が訪れ、地球が“開国”されて早くも四十と二年。異星の技術により人体神木置換手術法「伽羅倶利(からくり)」による木工サイボーグと化した者が人口の99％を占めるようになった異世界。

　殺生が許されない僧である主人公「ラシャ」は、御仏が斬れと決めた相手にしか抜けぬ魔刀「悲想緋緋蒼天(ひそうひひそうてん)」を持って、自身と“家族”の仇を討つ旅路にあった。
　仇に関する記憶は「襲われて朦朧とする意識の中で見た鬼の面」だけ……生きのこった“家族”である「ロナ」と共に彼は世界をさすらう。すべては仇を討つため……

　……のはずなのだが、ラシャはついつい、他人の厄介ごとに首を突っ込ま…続きを読む