第20話 【無事終了らしい】



―――その後も難なく依頼をこなし、その日の夕方には冒険者ギルドへ報告にいった。


「依頼を受けたブラックウルフの討伐確認をお願いします」


 三人の冒険者カードと、ストレージに入れていたブラックウルフの右耳を取り出し受け付けに置く。


「あっ!か、かしこまりました!数量の確認と鑑定をしますので、しばらくあちらの席でお待ち下さい!」


 少し数が多すぎたのか、受け付けの女性はかなり驚いた様子だった。


{あいつらってこの前登録したばかりのパーティだったよな?}


{だったと思うが。にしてはブラックウルフの耳、多くないか?}


{ありゃ軽く見積もっても100本はあるだろ}


 まわりの冒険者が俺達の事を話しているのがうっすら聞こえてくる

 まあ初日からあんな数のブラックウルフを討伐して帰ってきたのだから無理もない。


―――それから10分ほど待ち、


「ユーリさーん!鑑定終わりました〜!」


 鑑定が終わったらしい。

 俺達三人は席を立ち、受け付けの方へ戻る。


「どんな感じでした?」


「えーっとですね。ブラックウルフの討伐数ですが、まずユーリさんが34頭、次にエルフィナさんが42頭、そしてリリアさんが85頭の計161頭となっていました」

 

「あたしの勝ちだねぇ」


 これに関しては別に冒険者カードを見れば討伐数が出てくるので本来聞く必要はないのだが、俺達の初陣だったので冒険者カードは見ずに楽しみにしておこうと3人で決めたのである。

 それと、誰が1番多くブラックウルフを討伐出来るのか勝負していた。


「そして討伐報酬がこちらですね。報酬が1頭銀貨1枚の依頼でしたので、ブラックウルフ161頭の討伐ということで、金貨16枚と銀貨1枚の報酬になります。ご確認下さい」


「かなり多いな―――はい、確かに」


(ここだけの話ですが、この街でそれだけの実力をお持ちなのはユーリさんのパーティのみです。今後とも依頼の受注よろしくお願いいたします)


「依頼はこれで以上となります。依頼達成、お疲れ様でした」


 これにて俺達の初陣は無事終了した。

 初めてにしてはなかなかの成果だと思う―――

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