第18話 【バケモノ揃いだったらしい】



「3日もすれば王都にある本部から金貨が運ばれてくると思いますので、それ以降であればいつ受け取りに来て頂いても大丈夫です!」


「わかりました!」


 想定外の収入な上、しばらくは遊んで暮らせそうな金額だが、俺はそんなことをするために異世界に来たわけじゃない。


「そういえば、エルフィナとリリアは冒険者カード持ってるのか?」


「ずっとあの村に住んでたのに冒険者登録なんてしてるわけないじゃない」


「あたし達魔族の国に冒険者ギルドとかn――」


(おい!こんなところでお前が魔族だなんてバレたらマズいだろ!)


「魔族...?」


「あ、いや! 魔族と戦うだけだから冒険者登録とかはしてないって事みたいです!」


「そ、そうですか……」


「そしたらついでに2人も登録しておこうか」


「まあそれはありね」


「あたしは別にどっちでもいいけど」


 まずはエルフィナから。

 俺がやったのと同じように、水晶玉に手を乗せる。


「――これは?!」


《力:10》《体力:20》《器用さ:65》《素早さ:70》《魔法力:100》《運気:5》


「力と運気こそ平均値ですが、器用さと素早さはかなり高いですし、魔法力に関しては国の英雄達と並ぶレベルですよ!すごいです!」


(強いのは見てればわかるけど、エルフィナってそんなに凄かったのか……)


「ま、まあ私にかかればこんなものかしらねっ!」


――うん。すっごい嬉しそう!


 エルフィナの冒険者登録は何事もなく終わり、次はリリアが水晶玉に手を乗せる。


『パキパキッ』


 ――リリアが手を置いた途端、水晶玉が割れて粉々になってしまった


「この水晶が割れたということは、リリアさんは全能力値が100以上ということになるのですが………えーっと……因みになんですが、リリアさんのご職業をお聞きしてもよろしいですか…?」


「魔王様の配k―――」


「彼女は傭兵として魔王軍との戦闘に携わっていました!」


「――……な、なるほど……えっと、リリアさん。

 あなたの能力値であればこの国の勇者になることも可能だと思いますが――」


「そんなものに興味はないよ。

 あたしはユーリと旅がしたくてここに居るからねぇ」


「そうですか…それは失礼しました。

 こちらが冒険者カードです。

 登録はこれにて終了となります。お疲れ様でした!」


 うちの2人は相当強いみたい。だってほら。まわりにいる冒険者の皆さんがドン引きしちゃってますもん。

 途中危うい場面もあったが、なんとか全員の冒険者登録が終了した――

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