第17話 【想像以上らしい】
「申し訳ないんですが冒険者カードのお話に戻ってもらっても良いですか?」
「あ、申し訳ありません!初めて見るスキルでしたのでつい……」
「えっと、それでスキルなのですが、こんな感じでユーリさんが今習得しているスキルがここの欄に表示されます。スキルというのは特技のようなものですね。そして、多くのスキルは他人に教えてもらうことで習得することが出来ます。ユーリさんのそのスキルは恐らく例外だと思いますが」
「そして、冒険者ギルドには冒険者ランクというシステムがありまして、この冒険者ランクとは依頼をこなしていくと上がっていくものになります。冒険者ランクが上がれば上がるほど難しい依頼を受けることが可能です!」
「冒険者カードの説明は以上になります!このまま買い取りのご相談をさせて頂いても宜しいですか?」
「問題ないです。お願いします」
「それでは本日買い取り希望のアイテムを見せて頂けますか?」
「わかりました」
『ドサドサドサッ』
ブラックウルフロードの素材を全て取り出す。
「こんなにですか?!最近はブラックウルフロードの影響で狩り等は難しいはずですが…」
「そいつの素材です」
「なるほど……え?!あれを倒したんですか?!」
受付係の声で周りの冒険者達もこちらを注目し始める
「はい。この街に到着する前に遭遇したので仲間と倒しました」
「あはは……相当お強いのですね。えっと――でしたら素材の買い取りの他に、討伐報酬もありますので、素材の鑑定が終わり次第そちらも一緒にお支払いしますね」
「それでは『鑑定』。あ、しばらく時間かかると思いますので、1時間後くらいにまたこちらへお越し下さい!」
「わかりました!」
――それから1時間、2人と街を軽く歩いてから冒険者ギルドに戻ってきた。
ん……?なんか人集りが出来ているのだけど…しかも俺が受け付けした場所に…
「あ!ユーリさん!お待ちしてました!」
「終わりました?」
「はい!ただ1つ問題がありまして…」
「なんでしょうか?実はただのブラックウルフの素材だったとか?」
「いやいや!ちゃんとブラックウルフロードの素材なのですが、うちのギルドに置いてある金貨では足りず、王都にある本部から運ばれてくるのを待たなければいけないのでお支払いに数日かかってしまうんです」
「え?ちなみにどれくらいになりましたか?」
「ブラックウルフロードの牙、爪、皮、肉を全て合わせた合計が金貨2万枚以上になります。それと討伐報酬の5000枚を合わせて金貨2万5000枚以上ですね」
えーっと……確かパンが1つ銅貨1枚で、銅貨10枚で銀貨1枚、銀貨10枚で金貨1枚だったはず……ん?金貨2万5000枚……?
そう、銅貨1枚を百円とするならば、約2億円もらえるのである。
「桁間違ってたり……」
「しないです!」
「さいですか……」
金貨100枚くらいになれば良いと思っていたのだが、想像以上の値がついてしまった―――
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