第47章 喪に服す氷晶区

 上官双晶は菱珪玉からの知らせを受け取った後、すぐに氷晶区全体に向けて上官氏の死を宣布した。氷晶区ではその日から三日間、全ての人間が喪に服すことになったが。

 その間、上官家では上官双晶はかつて百里景砂が住んでいた部屋を上官家の世子でもある一人息子と共に片付けていた。

「父上、景砂殿はもうここへ戻ってくることはないのですか? 万一片付け終わった後で彼女が再び戻ってきたらどうします?」

 上官世子がわずかに弦の緩んだ琴を運びながら言った。

「ここは上官家の血が流れている娘の住む部屋だ。あの子が前にここに住んでいた時は、私の養女という名目だったからここに住まわせた。しかし、今や百里家に戻り本来の身分を取り戻した。だから、あの子はもうこの部屋に住むことはない。たとえ、また上官家に戻ってくることがあっても、それはまた別の身分だ」

 上官双晶はぞんざいに置かれてあった数々の絵を使用人に持ってこさせた箱の中にしまいみながら答える。

 すると、日頃このような体力仕事などすることのない上官世子には体が答えたのだろう、彼は父親の目を盗んで埃の舞い始めた部屋の隅に腰を下ろした。

「それはどんな身分なんです?」

 と、彼は息を切らしながら聞いた。だが結果としては、

「喪服のまま、床に腰を下ろすんじゃない。死者の道が埃で汚れてもいいのか」

 と、上官双晶に怒られただけだったが。

「申し訳ありません。しかし、教えてくれませんか。次に景砂殿が戻ってくるときは一体どんな身分で戻ってくるというんです?」

「決まっているだろう、世子夫人だ」

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