第41話 執り行われた儀式
百里景砂を覆う気がかりが全く取れない間に、儀式を行う日が来てしまった。
百里家の林の中で行われることになった儀式は、百里景砂の帰還を祝うものと、百里家に伝わる力を授けるものの二つが並行して行われることになった。
帰還を祝う儀式は、雲渓大陸に向けて正式に百里景砂が帰還したことを報告し、その喜びを百里景砂が受け入れた、という意味で白酒を飲む。それだけで終わった。
しかし、百里家に伝わる力を授ける儀式は、毎回力を受け入れる人によってかかる時間が異なるとされている。人によっては一刻もあれば終わってしまうらしい。だが、その儀式が複雑だというわけではない。むしろ、行うこと自体はいたって簡単だ。最も自然の力を宿している木に、それを受け入れる百里家の長女が、力が全て体の中に入るまで手を当て続ける。ただそれだけだ。
けれど、百里家の長女の素質によってその必要時間は大きく異なる。そんな中、百里景砂は史上最短の記録をたたき出した。
彼女は、線香が一本燃え尽きる時間だけでその儀式を終わらせてしまったのだ。
帰還の儀式が終わった後に儀式の参列者は盛大な宴に参加することになっているのだが、食事を一口も食べられない間に百里景砂の状況を耳にする羽目になった。
そしてそれは、菱家から唯一招かれていた菱珪玉もまた同様だった。
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