第103話 傷
僕の体に刻まれたいくつもの傷痕は
風にさらされ茶色く風化してゆくけれど
心には錆びたナイフが刺さっていて
見えない血はどくどくどくどく流れている
だから僕はできるだけ小さく丸まって
膝を抱えながら心を守っているんだ
止まらない血がかなしくて悔しくて
痛くない、痛くないと唱えながら
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