ペッパーズ・ゴースト
この作品は伊坂幸太郎の作品である。
他人の未来が少し見える壇先生を主人公にこの物語は話が展開していく。
現実に起こった出来事と生徒が作った物語が交錯して進んでいく本書は、徐々につながっていく物語が魅力的な作品となっている。
この作品はニーチェの「ツァラトゥストラ」に出てくる永遠回帰の思想が物語に盛りこめられている。
僕はこの作品を読むまでニーチェのことは哲学者だということくらいにしか知識がなく、何を残していたのかすら知らないで生きてきた。だが伊坂幸太郎さんの素敵なところは、自身の物語を通して、その作品を読みたいと思わせることがうまいのだ。
前知識がなくても楽しめるのは当たり前だが、「ツァラトゥストラ」を知った後に見たら読者自身も登場人物たちの悩みと考えをより一層深く共有できるのではと思った。
また怒涛の伏線回収に読者の僕はわくわくが膨らんでいく。この気持ちもまた体験してほしいな、なんて思ったり。
一度わくわくした内容を2度目は違うように受けれるそんな作品構造になっているのも楽しんでほしい。
この人生(作品)をもう一度! なんてね。
あと後半に差し掛かるにつれて面白さにも拍車がかかり読み進める手がとまらなかった。こちらに関しては物語の根幹にかかわってくるのであまり詳しくは書けないが、きになったのならそれがこの作品を見るタイミングだ! なんてほざいてみたり。
物語でどきどきしたい人、他人の未来がみえてその悩みを共感したい人、ニーチェの「ツァラトゥストラ」を読後した人にお勧めしたい、そんな作品です。
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