第5話 【閑話】九つの尾に宿る昔語り

むかしむかし、ある村に九尾の狐が住んでいました。

九つの尾にはそれぞれ好みがあり、その中の一尾はネズミが大好物で、一尾の狐として分かれてしまいました。この狐は豆狐まめこといい、いつも狩りをしてはお腹を満たしていました。

ねずみを見つけると、空にぴょんっと飛んで、前足で上手に捕まえるのです。


しかし、この村ではネズミが穀物を荒らし、農民たちを困らせていました。


村の神社には、穀物を守る神様が祀られていました。神様はいつも村の豊作を見守っていましたが、ネズミの被害が広がることに心を痛めていました。そこで神様はある日、豆狐に呼びかけました。


「豆狐よ、お前はネズミを狩るのが得意だな。この村の穀物を守るために、お前の力を貸してくれないか?」


「わかった!」

豆狐は神様の頼みに応じ、村のためにネズミを捕まえることを約束しました。毎晩、狐は村の畑や穀物庫を巡り、ネズミを狩り続けました。そのおかげで、村の穀物は次第に守られるようになりました。


村の人々は豆狐の働きに気づき、感謝の気持ちを抱くようになりました。彼らは豆狐を「穀物を守る神の使い」として敬うようになり、狐のために特別な祠を建てました。狐もまた、村人たちの感謝の気持ちに応え、ますます熱心にネズミを狩るようになりました。


ある時、豆狐は年老いて力が衰えてきました。もう以前のようにネズミを狩ることができなくなってしまったのです。しかし、村人たちは豆狐の長年の働きに感謝し、ねずみの油揚げをささげ、狐を大切に守りました。そして、次の世代の狐たちにも「穀物を守る神の使い」としての役割が受け継がれていきました。


村の神様も狐の忠誠心に感謝し、狐が永遠に安らかに暮らせるよう見守りました。それ以来、狐は穀物を守る象徴となり、村の平和と豊作を象徴する存在となりましたとさ。


村の神様がネズミの油揚げではねずみが可愛そうだから、豆腐の油揚げにせよと、村人にお告げをしたそうな。

その昔語りを、いったい誰が語ったのか――

村人か、神か、それとも……庭の片隅で眠る“尾”か。


おまけ

米狐こめこ

米狐はお米が大好物で、村の田んぼを見守る役割を担っていました。彼は特に収穫期に村人たちと協力し、稲穂を守るために尽力していました。村の豊作を支える米狐の働きによって、村の米は毎年豊かに実り、村人たちの生活を支えていました。


音狐おとこ(2匹)


音狐一: 音楽や音に敏感で、村の祭りや儀式に欠かせない存在。笛や太鼓の音色に反応し、村の人々を楽しませたり守ったりする役割を果たしていました。

音狐二: 音楽の他にも、自然の音や風の音を感じ取る能力を持ち、村の平和を保つために音を使って警告を発することができました。彼の音楽は村人たちに幸運をもたらし、村の繁栄を支えました。

麦狐むぎこ

麦狐は麦が大好物で、村の麦畑を守っていました。害虫や病気から麦の穂を守る役割を担い、毎年の良い収穫を支えていました。彼の存在によって、村の麦は毎年豊かに実り、村人たちは安心して麦を収穫することができました。


鍵狐かぎこ(2匹)


鍵狐一: 鍵や扉を守る役割を持ち、村の重要な倉庫や家々の鍵を管理していました。村の安全を守るために、鍵の管理や盗難防止に尽力していました。

鍵狐二: 村の神社や寺院の鍵も守り、神聖な場所の安全を確保していました。彼は鍵の管理に加え、神聖な儀式や祭りの際にも重要な役割を果たしていました。

知狐ちこ(2匹)


知狐一: 知識や智慧を持ち、村の賢者や相談役として知られていました。村の問題や困難を解決するために知恵を授け、村の発展を支えていました。

知狐二: 学問や学びに関心があり、村の教育や知識の伝達に関わっていました。彼は若い世代に知識を教え、村の知恵を次世代に引き継ぐ役割を果たしていました。

九尾の狐たちはそれぞれ異なる役割を持ち、村の平和と繁栄を支えていました。彼らの特性と能力が村の発展に大いに寄与していたのです。与していたのです。

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