第4話 小人族の村

 パピは小人族のルミをペガサスのウイングに乗せて自分は飛行魔法で小人の村を目指します。5時間ほどで小人村に着きました。

 村の中央広場に村人が集まっています。いいえ、ウルフ獣人によって集められているのです。狼獣人は全身毛だらけで、まるで狼が2本足でたったけものみたいです。獣人とは人間の身体に獣の顔に尻尾が付いてるイメージだったパピの中の桃恵は驚いていました。(まるで進化途中の獣だわね)


 その直後狼共は小人たちに暴力を振るい始めました。泣き叫ぶ小人達を見て笑いながらエスカートしていきます。

「もう我慢できない!」

パピは虐めをしている狼共を次々と殴り付けて小人達から離れた場所に投げ飛ばしていきました。植物魔法で1匹ずつ蔦で拘束しました。それを亜空間収納Bへ収納して、この時の為に用意しておいた監獄ブロックに押し込みました。


「ルミ、ウルフの村の場所って判る?」

「うん判ると思う。怖くて行った事無いけど方角だけなら大丈夫だよ」


パピはルミを案内役にして狼獣人の集落を目指します。

「あそこがそうじゃないかな」

「みたいだね。ルミはこのままウイン(ペガサスの名前です。本当はウイングだけど、パピはウインと呼んでいます。省略するのが得意みたいですね)に乗って上空で待っててね。直ぐに終わらせてくるからね」

「うん、気を付けてね」


 パピは自力飛行で集落の中で大きな家の前庭に降り立ちました。

「たのもー!」

家が揺さぶられるほどの大声で家の者を呼び出します。

「う、うるせー!!鼓膜が破れる!何者だ!」

「あたいの名はパピ、小人達を虐める極悪人をお仕置きしに来た正義の味方よ。虐められる者の苦しさ悲しさ悔しさを虐める者に

思い知らせに来た者よ、あんたがここの親分ボスなの?」

「ああ、確かに俺がこの集落を束ねるガレイと言う者だ。生意気なことを言う小娘め、この世は強い者だけが優遇される世界だ。弱い者は強い者にどの様な目に合わされようが文句を言う資格なんてねえんだよ。悔しかったら実力で歯向かってみやがれってんだ」

「確かにね。弱い者は強い者の思い通りって言葉そっくりそのままあんたに返すわ。あたいと勝負しなさい。あんたに自分の弱さを気付かせてあげる」


「「親分こんな小娘俺達でギタギタにして見せまさあ」」

いつのまにか集った子分共騒いでいます。

パピはそいつらの頭上に亜空間収納に入れておいた小人の村を襲った狼獣人共を落とします。

一瞬で大人しくなりました。聞こえるのは下敷きになった者達のうめき声だけです。

「お、おまえら何やってんだ!こんな小娘1人にやられてんじゃねえ」


「さあ、これで1対1のタイマンよ。どっからでもかかってらっしゃい」

「このアマ許さねえ!」

ボス狼は牙をむきだしてパピに襲い掛かります。

「遅いっ」

パピはひらりとジャンプしてボスの頭をキックしました。ボスはズズズズズーと蹴り飛ばされて地面を滑って雑魚共の中に突っ込みました。

「もう終わり?つまんないの」

「な、なにをー」

ボスは部下共に不甲斐ないところを見られて、恥ずかしいやら腹立たしいやら頭に血が上っています。

パピは容赦なくボスを往復ビンタで痛めつけます。頑丈な毛皮で守られている筈なのに頭の内側に強烈な痛みが走ります。

もう何回ビンタされたのかも判らなくなって気を失いそうになりました。

「もう…やめて…くらしゃい……」

「エエ?何?小人達が許しを願った時あんたたちは許してあげた?甘ったれるんじゃないわよ。戒めの為にあんたの片腕と片足を折って、命は獲らないで上げるから感謝しなさいね」


「今後、小人属の村を襲ったらこの集落の者達一人残らず生きていけないと肝に命じなさい。判った?」

「「「「「「「「「ははい!解りました」」」」」」」」」


パピとルミは小人の村に帰りました。

「念のために敵意を感じたら何者も通さない防御シールドを張っておきましょうね。500年は破壊されない筈よ」


 パピは、皆に送られて次の町を目指して旅立ちました。

桃恵の固有スキル【心の叫びを聴く者】を発動します。

1箇所強烈な憎しみ悲しみ悔しみを放つ魂を感じました。


 余談ですが、腕足を折られたボスは自然の掟によりボスの座を追われてどこかに消えたそうです。

その後もボスの座を巡って幾度も争いが起きて、小人属の村を襲う余裕は無かったそうです。

それでも馬鹿なチンピラが居るもので、1人で村に来たものの、防御シールドに弾かれて、死ぬほどの痛みに耐えかねてほうほうの体で逃げ帰ったそうですが

集落のみんなの命を危機に陥れた罰として仲間のリンチにあって

集落を追放されたということです。


★★★★★★★★★★★★★★


明日(水曜日)、明後日(木曜日)、明々後日(金曜日)は投稿をお休みします。

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