夕方に流れる夕焼け小焼けのメロディーって、なんだか不気味な雰囲気を感じさせますよね。
本作はその不気味な空気をじつに巧みに扱った一作です。
待ち合わせをしていた男の子が夕方5時になっても現れない。何やら塾で何か事件があったようだけど……この時点で、おそらく多くの方は、
①待ち合わせをしていた男の子が殺された
②待ち合わせをしていた男の子が事件を起こした
のどちらかと予想して読み進めることでしょう。自分は両方の可能性を考えながら読み進め、ラストのシーン、夕焼け小焼けの描写からすっかり騙されました。
ですが結末を読み……主人公を訪ねてきた人の正体を知ってゾワッとしました。とりあえず扉を安易に開けないことですね。
未読の方はぜひ騙され、最後に「怖っ!」となってください。お勧めです。
ある不幸な出来事により、望まない方向へ人生が変わってしまった主人公。
そんな彼女の身に起きた、新たな事件とは────
強く心身を揺さぶる出来事は、人を変えてしまいます。
作中の主人公の淡々とした語り口が、却ってその胸中に秘めた心情を強く映している。
そんな印象の物語です。
作中にて繰り返された思い出の中の音。
夕方の五時、街に流れる夕焼け小焼けの音楽が印象的でした。
きっとこの物語を読む方は、ラストの四行でより深い怖気を覚えることでしょう。
人の狂気の及ぼすものの有様、その波及する果てを見せてくれる物語です。
お勧めいたします。