第32話 『じごくステーション』 その2


 『おりなかったら?』


 と、死神見習いのゆりさんに尋ねました。


 『いや、それは、できないですよ。強制的に下ろされます。お手洗いに隠れてもだめ。透視眼力がある鬼さんたちが迎えに来ますから。闘うと怪我しますよ。下手したら、そのまま、地獄行きです。神務実行妨害コウムシッコウボウガイで罪になりますから。』


 『はあ。……… ああ、駅だ。』


 それは、でっかい駅でした。沢山のホームが並んでいるのです。そうして、あちらこちらから、姿かたちの違う様々な汽車たちが集まってきていたのでした。


 『おじさんも、いるんだろうなあ。』


 と、静かに停車しかけているなか、ぼくは、おじさんの姿を探し回りましたが、あまりに、沢山の人がいて、さっぱりわかりませんでした。


 なるほど。大きな鬼たちが、長いしごき棒をもって、がっちりかまえているのです。


 どの、鬼に当たるのか?


 それは、まさに、最大の賭けであります。


 過去、現実、未来、あらゆる次元における、最後のラッキーとなるかもしれない。アンラッキーとなるかもしれない、重大な、『節』なわけなのです。


 汽車は、停まったのです。


 ずたずたと、赤鬼と青鬼が踏み込んできました。


 『あ〰️〰️〰️。抵抗は無駄である。諸君を、仮評定所に案内いたす。まーやしんどの。きさまか。立て。素直に従えば叩いたりしない。おや、きさまは、なんだ。』


 『死神見習いのゆりです。勉強のために同行するように。との、社長命令です。』

    

 『社長命令? 証拠は?』


 ゆりさんは、小さな札を提示しました。なんだか、分からない文字が書かれています

 『ふん。見習いか。邪魔になるなゃ。』


 『はい。』


 『よし、立て。引っ立てる✨ばばん!』


 鬼は、列車の床を激しく仕置き棒で叩きました。


 『じーごーくーのーさーばーきーにーおーつーれーもーす。ほだらくやー、きしうつなみはー、みくまののー、なちのおやまに、あるけ。とまるな。………ひびく。たきつせ。あるけ!とまるな!』




        ❕👹あるけ!

        ドン!
























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