第5部 おかえりなさい
涼ちゃん先輩が退院して3日が経った。依然として安静中もあってか涼ちゃん先輩はまだ部室に顔を出していなかった。
「あ、桃さんお疲れ様です!榎本先輩あれからどうですか?」
「エイくんお疲れー!涼ちゃんだいぶ元気になってきたよ!ただちょっとまだ顔出しづらいみたいで....」
「榎本先輩に会ったんすか!?」
ボクの隣で話を聞いていたジョーは思わず桃さんに問いかけていた。
「うん、まぁね...(苦笑)合鍵持ってるの私しかいないし、元気かどうか確かめにね」
「ボクも榎本先輩の家行きたいッス!!!榎本先輩に辞められたら困ります!!困りまくります!!ボクが説得しに行かせてください!!」
「何でお前が困るんだよ。第一お前榎本先輩と全然接点ねぇだろ笑」
「あるんだよおお!ありまくりじゃボケえええ!!!お前見なかったのか榎本先輩のあの笑顔!!!美しかった…涙が出るほどにウルウル」
「おま.....まさか.....」
涼ちゃん先輩の笑顔を見ていたジョーは恋に落ちてしまったらしい。本当に男はつくづく単純な生き物だと思う。
「まぁまぁ(苦笑)涼ちゃんももう少しで行けると思うからちゃんと会えるよ!笑」
「ホントっすか!?!?マジで自分待ってるんで桃さんお願いしますよ!!!!」
「ホントホント!!あたしに任せなさいって!」
「(ホントに大丈夫なのか.....)」
2人のやり取りを聞いて心の中でそう呟いたボクだった。
翌日部長であるガヤさんがサークル部員全員を呼び出し臨時でのミーティングを開いた。
「みんな忙しい時に呼び出して申し訳ない。今日はみんなを呼び出したのは他でもないんだ。入ってこい涼香」
その名前を聞いた瞬間全員が扉の向こうに視線を移した。
「涼ちゃん!?!?!?!?」
「榎本先輩ーーー!!!!!!」
桃さんや千尋先輩(あと若干もう1名)が涙を流しながら涼ちゃん先輩の名前を叫んでいた。
「榎本先輩マジで帰ってくれて嬉しいっす!!!
榎本先輩の笑顔をもう1度見れるのならこの城之内いつでも三途の川を渡る準備はできてます!!!」
「(バカかコイツは.....)」
「皆さん先日はご心配とご迷惑かけて本当にすみませんでした。この通り私は元気です。元気モリモリです。これも全てサークルの部員みんなのおかげです。それでお願いなのですが、もう一度私を「空」の一員として入れて貰えないでしょうか…。もう一度みんなと仲良く笑っていた..」
「死ぬ程素敵な笑顔を降り撒いてた人が何言ってんすか!そもそも“涼ちゃん先輩”の事辞めたなんて思ってないですよ!少なからずボクらはね」
「ジョーくんの言う通りよ。今も昔もずっと変わらない我らが北栄大学演劇サークル「空」エース榎本涼香さん」
ジョーと千尋先輩らがそう語った。
「涼ちゃん、おかえりなさい。待ってたよ」
今にも泣きそうになっている涼ちゃん先輩に最高の笑顔で桃さんは涼ちゃん先輩を抱きしめるのだった。
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