07 竹林の家にて
最初に動いたのは、
その顔色は青白く、呼吸も浅い。
それでも彼は地面に片手をつき、ふらつきながら上体を起こす。
長く“影”にまとわりつかれていた負荷が、どれほどのものだったかは想像に難くなかった。
「お前たち……無事か……!」
「そっちこそ……!!」
触れた体からかすかに伝わる熱と、小さく震える指先が、彼の消耗を物語っていた。
「大丈夫ですか」
「――心配無用だ」
その声音に、無理をしてでも
井戸は重い蓋でしっかりと閉じられている。それを確認すると、
「とにかく――ここを離れるぞ。うちに来い」
迷う理由はなかった。
三人は
細い道は起伏も激しく、足を取られないよう慎重に進む。
時折吹き抜ける風が、異界の気配を少しずつ遠ざけていくように感じられた。
やがて――
古い木戸をくぐると見慣れた家屋が
畳の匂い、障子の白、土間を渡る風――
時代こそ違うが、まぎれもなく
手際よく三人の傷を手当てすると、続けて湯を沸かし、茶を淹れる。
漂う湯気と立ち上るほのかな香りが、胸の奥に張りついた恐怖をゆっくりと溶かしていった。
「何から話したらいいか、わからないんだけど……」
湯呑みを両手で包み込みながら、
伝えたいことは山ほどあるのに、その整理がつかない。
その仕草に背中を押され、
未来から来た、自分たちのこと。
自分たちを狙う、イザナミの存在。
そして、ここに至るまでの出来事のすべて――
全てを語り終えて、静けさが満ちた客間で――
「……信じ難い話だが、お前たちが嘘を言ってるようには見えん」
その声には、恐れと覚悟が入り混じっていた。
目の前にいるのは、自分の血を引く未来の孫――しかも、その命を“神”が狙っている。
それは常識では到底受け入れられる話ではないはずだ。
しかし――それでも彼は、
「この客間は好きに使え。……ここで道を探すといい」
ぶっきらぼうだが、どこか温かみのあるひと言。
それはまるで灯火のように
ここは自分たちの知らない時代で、帰れる保証もない。
それでも——この家には、自分たちを受け入れてくれる人がいる。
たったひとつの安心できる場所があるだけで、こんなにも心は軽くなるのか。
張り詰めていた糸が、すうっとほどけていく。
外では竹林がさわさわと風に揺れる。
その音はまるで、この家が
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