七夜目・子供牛乳プリン

 ――公共施設の地下へと走る。


 科学館か図書館か。

 施設の地下へと降りていく。


 蛍光灯の明かりが照らす中。

 ただ、ひたすらに降りていく。


 非常階段なのか。

 何枚もドアをくぐる。


 何の目的か。

 ただ、ただ、下へと向かう。


 何が待ち受けているのか。


 大概たいがいの夢で。

 地下では怖い思い出しかなかった。


 遺体のうごめく病院か。

 活ける絵画の収蔵庫か。


 ドアを開けると、そこも施設。


 人工的な。

 しかし、どこか暗い空。


 夕暮れ時の遊園地のような広大な空間。


 入り口近くのメリーゴーランドの前で。

 二体の人形の首が転がって来る。


 男の子と女の子の着ぐるみの首。

 彼らはケラケラと笑いながらこちらにくる。


 …どのような恐ろしいことが起こるのか。


 子供牛乳プリン〜♪


 二体の首だけの着ぐるみは。

 仲良く、確かに、そう歌った。

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妙な夢十夜 化野生姜 @kano-syouga

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